7.28埼玉「超RIZIN.3」で実現の朝倉未来vs平本蓮が「負けたら引退マッチ」となった理由とは?…この戦いに勝負論はあるのか?
総合格闘技イベントの「超RIZIN.3」が7月28日にさいたまスーパーアリーナで開催されることが16日、東京の六本木アリーナで発表され、メインカードは朝倉未来(31、ジャパントップチーム)と平本蓮(25、剛毅會)が5分3ラウンドのMMAルールのフェザー級66キロで激突する因縁マッチとなった。会見に出席した両者は、さっそく激しいトラッシュトークを展開させ、揃って「負けたら引退」と公約した。“最強”ではなく互いの“プライド”を争う話題性抜群のRIZINのキラーカード。彼らは本当に公約を実行するのか、そして、この試合に勝負論はあるのか。
「朝倉未来が無冠の帝王で終わらないようにベルトを用意して」
映像によるカード発表に会場の招待された限定180人のファンから歓声があがる。先に平本がヒップホップ系ファッションで登場。続いて朝倉がシックなジャケット姿で榊原信行CEOを挟んで会場の席についた。
平本が仕掛けた。
「ずっと望んでいた目標としていた試合。朝倉未来の存在が自分の中で刺激を与えてくれて、凄く感動した部分…尊敬とか憧れとか…」と続け、真面目にリスペクトを伝えるのかと思いきや、やはり期待を裏切らない。
「そんなもんあるわけないだろう。バーカ!」とやって会場が盛り上げると「ケラモフに負けて、YA-MANにのばされて、いじけてるんで、僕が最後のドドメを刺そうと思っています。ボコボコにします、以上」と言い放った。
無表情の朝倉が次にマイクを持つ。
「年末に弟(の海)から刺激をもらってオレがRIZINのフェザー級を盛り上げてきたという自負がある。年末にトップ戦線に食い込みたいという中での復帰戦に楽な相手を用意してもらった。ボッコボッコにして、痛めつけてやろうかなと。もし万が一、平本に負けたらオレは格闘技人生を引退します」
突然の「負けたら引退」宣言。だが、会場がざわつく時間もなかった。
すぐさま平本が「いやオレもこいつに負けたら引退します、絶対負けるわけないんで。ここで約束します」と割り込んできたのだ。
苦笑いの榊原CEOが「引退しなくていいんじゃないの?」と突っ込んだが、平本が、「ここで負けたら終わりなんで朝倉未来に負けたら引退します」と繰り返すと、朝倉も黙っていなかった。
「ということで平本の引退試合を皆さん見に来てください」
平本がまた返す。
「朝倉未来の引退試合を楽しみに皆さん来てください」
平本がSNSで朝倉に喧嘩を売り始めたのは4年前。当時はK-1から転向したばかりでMMA経験が乏しく、MMAのトップ戦線にいた朝倉との対戦は成立しないカードだったが、2022年11月に元DEEP王者の弥益ドミネーター聡志に判定勝利したあたりから、MMAに適応し始めた。昨年4月には、僅差の判定で敗れたものの、元RIZINフェザー級王者の斎藤裕と対等の勝負を見せ、大晦日には、朝倉がオープンフィンガーグローブを使ったキックルールでKOされたYA-MANをMMAルールで撃破してアピールに成功。
一方の朝倉は、昨年7月にウガール・ケラモフに1本負けを喫して特別のキックルールではあったが、YA-MANに衝撃の1ラウンドKO負けを喫して連敗中。スランプの朝倉と、平本の勢いと成長が、ちょうど交わり、榊原CEOは「一番旬のタイミングで交わった。奇跡的」とマッチメークした。
朝倉にはYA-MANに壮絶KOされたダメージが不安視される。
そのコンディションについて「もうばっちり練習をやっている。ここから4か月ある。来週からタイに行く。過去最高の仕上がりにして負けるわけはないんですよ。フェザー級のトップなんで…」と説明していると、また平本が割り込んで「YA-MAN以上の失神をさせますよ」と薄笑い。
「(MMA)3戦3勝の坊やと練習してやります。痛めつけます」
そう朝倉がやり返すと、平本は「3戦3勝の坊やとビッグマッチになってしまう朝倉未来なので。皆さんそこはあまり触れないでください」と皮肉った。
「相手がどうこうより、引退をかけた試合なんで。長い格闘技人生の最後は
平本で終われない。本気で仕上げていきます」は朝倉の本音だろう。