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米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)
米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)

「水原氏に調査への協力は強要できず大谷にも拒否権がある」…MLBが大谷&水原氏を巡るスキャンダルの調査を正式スタートも問題点を米メディアが指摘

 メジャーリーグベースボール機構(MLB)は22日(日本時間23日)、ドジャースの大谷翔平(29)と元専属通訳の水原一平氏(39)を巡る問題について正式な調査を開始したことを発表した。同機構は「大谷翔平と水原一平の疑惑を報道で知って以来、情報収集に努めてきた。本日未明、我々の調査局(DOI)はこの件に関する正式な調査手続きを開始した」とプレスリリースした。

 「大谷は調査に協力すると考えられているが拒否権がある」

 今回の問題で水原氏の貴重なインタビューをスクープした米スポーツ専門局「ESPN」によると、「MLBは大谷と水原氏を含むすべての関係者に事情聴収を要請する予定だが、(ドジャースを解雇された)水原氏はもう野球界で働いていないため、関係者は水原氏の協力を強要することはできない」という。
 また大谷には、MLB選手会の会員としてMLBへの協力を拒否する権利もある。大谷氏は、スポーツ仲裁裁判所の判例に基づき、すでに進行中の犯罪捜査を理由に協力を拒否する権利を行使することもできるという。 
 ESPNは、「従来、MLBは、選手が調査の対象となった場合、そのような拒否権を行使できることを主張してきたが、大谷は調査に協力するものだと考えられている」とした。
 MLBのルールによると、選手やスタッフ、審判などのギャンブルが固く禁じられており、自ら関連する試合に賭けた選手、審判、コーチングスタッフは、永久出場停止、無関係な試合に賭けた場合でも1年間の出場停止処分が下される。また違法な賭博に関与した選手にも少なくとも1年間の出場停止処分が科せられるという。
 スキャンダルは、FBIが南カリフォルニア州の違法のブックメーカーを捜査している過程で大谷の口座から同ブックメーカーへの送金があることが確認されたことで発覚した。その情報をつかんだESPNとロサンゼルスタイムズ紙が大谷の代理人事務所の広報に取材をかけたところ、当初は「水原通訳の借金を大谷が肩代わりした」と説明し、ESPNが、水原氏を90分間インタビューしたところ、合法だと信じて賭けていた海外サッカーやNFLなどのスポーツペッティングの借金が「雪だるま式」に450万ドル(約6億8000万円)にまで膨らみ、「二度としないということで大谷が助けてくれた」と証言した。
 水原氏が見守る前で大谷がパソコンを開き、銀行口座から送金し、その際、但し書きに「ローン(貸付)と書いたという具体的な話まであった。
 だが、翌日になって代理人事務所の広報が前言を撤回。大谷の弁護団が「大谷が大規模な窃盗の被害者であることを判明し、この問題を(捜査)当局に引き渡した」との声明を発表。ドジャースが事実確認を行った上で21日に水原通訳を解雇した。水原氏も「大谷は自分のギャンブル活動、借金、返済努力について何も知らなかった」と、180度発言を変え、ESPNが、発言内容を変えた理由を聞くと「嘘をついた」と説明したという。

 

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