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大谷だけではない。過去にもあった巨額な詐欺被害(写真・AP/アフロ)
大谷だけではない。過去にもあった巨額な詐欺被害(写真・AP/アフロ)

「借金の取り立てに身の危険を感じた」水原一平氏がESPNの90分取材で語っていた違法賭博による約6億7500万円の壮絶な借金苦

 ドジャースの大谷翔平(29)の元専属通訳である水原一平氏(39)が違法賭博の借金を返済するために大谷の口座から窃盗を働いたという疑惑でチームを解雇された問題で、新たな情報が明らかになった。解雇の前日に90分間にわたる電話インタビューを行ったESPNが、その取材内容を明かしたもの。水原氏は、違法賭博による借金が400万ドル(約6億円)以上に膨らんだ現状を2023年まで大谷に伝えることができず借金の取り立てに身の危険を感じていたという。

 当時のエンゼルスでの通訳年俸は8万5000ドル(約1275万円)

 “水原スキャンダル”をスクープしたESPNが詳細な裏事情を明かした。ティシャ・トンプソン記者が、日本時間23日に、ここまでの問題を時系列に整理した記事を掲載。その中で、解雇前日に水原氏を90分間にわたって電話取材した際の、これまで出していなかった情報を暴露した。インタビューは、韓国でのパドレスとの開幕戦前日の午前中に、大谷の広報担当の手配で、その広報担当も参加した状況で、電話にて90分間にわたって行われた。
 水原氏は、2021年に違法なブックメーカーを運営するボウヤー氏とサンディエゴのポーカーゲームの場で知り合い、スポーツペッティングを行うようになった。以前に合法のブックメーカー「ドラフトキングス」を通じて賭けたことがあり、違法だとは知らなかったという。野球には賭けず、海外サッカーやNBA、NFL、カレッジフットボールなどに賭けていたが、2022年の末までにクレジットによる借金が100万ドル(約1億5000万円)にまで膨らんだ。
 当時のエンゼルスでの通訳としての年俸は8万5000ドル(約1275万円)で、友人や家族からお金を借りていたという。
「翔平には言えなかった。生活費を稼ぐのが大変でした。私は給料をもらいながら生活していました」と水原氏は語り「彼(大谷)のライフスタイルについていかなければならなかった。でも、同時に、このことは彼には言いたくなかった」と続け、この頃、大谷に違法賭博により借金が膨らんでいることは秘密にしていたことを明かした。
 水原氏は、日ハム時代の2013年に初めて出会った大谷との関係を「兄弟」と表現し、妻よりも大谷と過ごす時間の方が長いと説明している。
 だが、水原氏の借金は、2023年初めには400万ドル(約6億円)にまで膨れあがり、その時に大谷に助けを求めた。だが、大谷の信頼を失うことを恐れ、借金の取り立てに誰かが自宅に来るかもしれないという身の危険を感じていたという。
 借金先が、違法賭博であることから、マフィアなどを使った暴力的な取り立てを恐れたのかもしれない。
 経済的にも精神的にも崖っぷちに追い込まれた水原氏は、「私は自分の状況を(大谷に)説明しました」と大谷に援助を求め、「もちろん彼はそのことを快く思っていませんでしたが、私を助けると言いました」という。
 大谷は、水原氏が借金した相手を違法なブックメーカーであることを知らず「借金を返すために電信を送る必要があると言っただけです。彼はそれが違法かどうか聞かなかった」という。大谷が、借金の肩代わりに同意した後、2人は、大谷のパソコンで、大谷の銀行口座にログインし、数か月にわたって、8、9回、それぞれ50万ドル(約7500万円)の取引を行った。2人は取引の説明欄に「ローン(貸付)」と書き加えた。水原氏は最後の支払いは10月に行われたと推定している。
 大谷に借金の肩代わりを求めることで「自分自身や大谷を危険にさらすことになると思ったか?」とトンプソン記者に質問された水原氏は「その時は、2人ともそんなことはまったく考えていなかったと思います」と答えている。

 

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