米メディアが投手＆DH選出の大谷翔平の米球宴に「2つの疑問が残る」と指摘した問題とは…先発以外でも登板可能なのか？

米大リーグ機構は10日（日本時間11日）、オールスター戦（日本時間20日、ロサンゼルス・ドジャースタジアム）の機構推薦と選手間投票で選ばれた投手と控え野手を発表、エンゼルスの大谷翔平（28）が機構推薦により2年連続で投手としても選出された。大谷は、すでにファン投票によりア・リーグDH部門で選出されており、昨年に続き2年連続での二刀流出場が可能になった。米メディアの話題は、昨年に続き大谷が、先発マウンドに立ち、“リアル二刀流”を実現するかどうか。果たして全ア・リーグの指揮を執るアストロズのダスティ・ベイカー監督は、誰を先発に指名するのだろうか。

勝利数トップのバーランダーと”2冠”マクラナハンが先発最有力候補

　大谷がファン投票で選出されたDH部門に続き、大リーグ機構が選出する投手部門でも栄えある13人のメンバーの1人に選ばれた。これで2年連続の二刀流出場が可能となり、MLB公式サイトは、「歴史再び…大谷が再び二刀流でオールスター」との見出しを取り、大谷自身の声やエンゼルスのフィル・ネビン監督代行のコメントを交えて快挙を伝えた。

　記事は、「昨年まで野手と投手の両方でオールスターに選ばれた選手は誰もいなかった。だが大谷は、昨シーズン歴史を作り、（投打の）両方で栄誉を勝ち取り、日曜日に再びそれを達成した。昨年のア・リーグMVPを満票で勝ち取った大谷にとってまた一つ素晴らしい偉業となった。彼は7月18日のホームランダービーに昨年に続き出場するかはまだ決めていないが、7月19日のドジャースタジアムでのミッドサマークラシック（オールスター）で二刀流の才能を披露する機会を得ることになった」と伝えた。

「光栄な事なので選んで頂いた皆様に感謝しながら頑張りたいと思います」という大谷の声を紹介。続けてパドレス時代の2001年にオールスター出場経験のあるネビン監督代行のコメントをこう伝えた。

「素晴らしいことだと思う。この試合は、野球界の最高の選手をみんなが見ることができる機会、そして彼は（最高の選手として）投打両方にいることは確かなこと。マウンドでイニングを投げ、打つところをファンは見たいと思う。我々は、毎日それを見る特権を得ている。東海岸のファンは、あまり彼を見る機会がなく、（オールスターの）火曜日にチャンネルを合わせて、ショウヘイの投打両方を見ることは特別なことだと理解している」

　問題は大谷が2年連続で先発マウンドに上がるかどうか。

　同メディアは、「大谷は昨年（のオールスターで）、ア・リーグの“先発・1番”で起用されたが、まだ今年の先発投手は発表されていない。アストロズのジャスティン・バーランダーと、レイズのシェイン・マクラナハンが最有力候補となっている」と記した。

　バーランダーは現在リーグ最多の11勝（3敗）をマーク。しかもア・リーグの指揮を執るのは、アストロズのベイカー監督だ。マクラナハンは9勝3敗で防御率1.73、奪三振141はリーグトップ。数字の上では大谷を上回っている。

　それでも同メディアは「28歳の大谷は、昨シーズンよりもさらに優れた投球を見せており、14先発で8勝4敗、防御率2.44としている。彼は81イニングで111三振を奪い、20四球で8本塁打を許している。彼は対戦した打者の34.4％で三振を奪っており、これはメジャーリーグ先発の中で2番目に高くマクラナハンの36％を下回るだけだ。大谷は最近になって素晴らしい投球を続けており、過去5度の先発では5勝0敗、防御率0.27で過去4度の先発では自責点を許していない」と評価した上で、こういう見解を伝えた。 「もし大谷が先発起用されなければ、DHとして先発出場することで（中継ぎ登板の）投手としての準備の時間を見つけるのは難しくなるかもしれない」

　ただ、ネビン監督代行は、先発でなくとも故障のリスクを負うことなく登板準備を整える能力があることを明かしたという。

「彼がDHで出場して（中継ぎ登板への）準備にどのように取り組むかは定かでないが、彼の身体的な心配はしていない。彼は自分の体に何が良くて何が悪いかをとても意識している。体の扱いについてはとても素晴らしい」