水原容疑者に“悪の素養”はあったのか…「教師やクラスメイトは誰も全国ニュースの人物になるとは思っていなかった」…母校ダイアモンドバー高は「優秀卒業生」名簿から削除
ドジャース大谷翔平(29)の元専属通訳だった水原一平容疑者(39)が大谷の口座から1600万ドル(約24億6000万円)以上を違法賭博で作った借金を返済するために騙し盗った銀行詐欺の罪で連邦捜査当局に訴追された問題の波紋が止まらない。米スポーツ専門局「ESPN」が17日(日本時間18日)に水原容疑者の高校時代の素顔に迫る記事を掲載した。経歴詐称問題も浮上しているなか、出身高校は「優秀な卒業生」の名簿から水原容疑者の名前を削除した。
高校時代はサッカー部の第3のGK
水原容疑者に昔から“悪の素養”はあったのか。
連邦捜査当局が水原容疑者を訴追。37ページに及ぶ訴状の中で、水原容疑者が、いかにして違法賭博の借金地獄へはまり、大谷の銀行口座からどうやって1600万ドル(約24億6000万円)以上の大金の送金に成功したかという悪質な手口が明らかになった。
水原容疑者は翌日に法務執行機関に出頭し、身柄を拘束され、ロサンゼルス連邦地裁で保釈審問を受け、大谷との接触禁止やギャンブル依存症の更生プログラム受講などの数多くの条件を付けられた上で2万5000ドル(約380万円)の保釈金で保釈された。米メディアは、この問題のさらなる追及を続けているが、ESPNは、水原容疑者の高校時代にスポットライトを当てた。
同記事によると水原容疑者は日本で生まれ、オレンジカウンティのレストラン経営者の息子として7歳の時から南カリフォルニアで育った。2003年にロサンゼルス郡東部にあるダイアモンドバー高校を卒業し、「さまざまな仕事をした後、語学力とスポーツへの興味を組み合わせてキャリアをスタートさせる方法(通訳)を見つけた」という。水原容疑者は、カリフォルニア大学リバーサイド校を卒業したとしていた、同大学のスポークスマンであるサンドラ・マルティネス氏が「その名前の人は誰も入学しなかった」と語るなど、経歴詐称を行っていたとされている。
ただダイアモンドバー高校に通っていたことだけは間違いない。
同紙によると、高校時代に水原容疑者はサッカー部に所属していた。ただ「第3番目のゴールキーパー」でほとんど試合に出場したことはなかった。それでもサッカーを楽しんでいて練習をさぼることはなかったという。
ESPNの取材に対して当時のアシスタントコーチだったケンプ・ウェルズ氏は「彼が試合に出場したかどうかさえ覚えていない」という。
当時の水原容疑者は、物静かですべてを自分一人でする性格で、「教師やクラスメートは誰も水原容疑者が全国のニュースで取り上げられる人物になるとは思っていなかった」という。
ウェルズ氏は、「本当に良い生徒と悪い生徒が記憶に残るものだが、彼はそのどちらでもなかった。ただ頭を下げて自分の仕事をしていただけだ」という。
同校はウェブサイトの「優秀な卒業生」の名簿から水原容疑者の名前を削除した。情報筋によると、同校は、メディアからの水原容疑者に関連する取材に対して規制をかけているという。
水原容疑者は、2012年2月のスプリングトレーニングが始まる前に岡島秀樹氏の専属通訳としてヤンキースに採用されたが、岡島氏が身体検査をパスできずに契約解除となったことで通訳を務めることができなかった。当時27歳。だが、一部の報道では、レッドソックス時代に岡島氏の通訳を務めていたとの経歴が掲載されていたため、レッドソックスが「そういう事実はない」と異例の声明を出すに至った。その後、水原容疑者は帰国し、公募に応募する形で2012年から日ハムに入団。2017年まで通訳を務め、そのオフに大谷と共に渡米。以降、今年3月にドジャースを解雇されるまで、専属通訳兼マネジャーとして大谷とコンビを組んでいた。