水原賭博事件の発覚後も契約に影響なし…大谷翔平がデータ解析機器会社「ラプソード」と複数年のスポンサー契約を結ぶ…2025年の投手復帰へ向けて強力タッグ「リハビリもスムーズに」
ドジャースの大谷翔平(29)がポータブルなデータ解析機器を製造販売している「ラプソード社」とテクノロジーアンバサダーとして複数年のスポンサー契約を結んだことを同社が22日(日本時間23日)に発表した。同社の機器は、すでに日米の野球界に広く浸透、大谷自身も使用していたが、より世界的なブランド価値を高めるため二刀流スターとの異例の契約に至ったという。2025年に投手としての復帰を目指す大谷は、同社の機器によって測定したデータを活用することでリハビリがスムーズにいくことを明かし「少年時代にこれがあればもっともっと上手くなれたんじゃないか」とメッセージを伝えた。この契約は、水原一平容疑者(39)が大谷の口座から1600万ドル(約24億6000万円)以上の大金を盗んだ賭博スキャンダルが発覚する前に成立していたが、その影響が及ぶことなく正式発表となった。
「少年時代にこれがあればもっともっと上手くなれたんじゃないかな」
大谷にとって力強いスポンサーがついた。
社名そのまま通称「ラプソード」として知られるデータ解析機器のヘビーユーザーだった大谷が同社のテクノロジーアンバサダーとして契約したのだ。
大谷は、同社のイメージ動画の中で、こんなメッセージを伝えた。
「私はラプソードを数シーズン使用していましたが、とても素晴らしいツールだと思いました。もっと早く使い始めればよかったと思いました。少年時代にこれがあれば、もっともっと上手くなれたんじゃないかと思っています」
同社は2010年に設立され、米国のセントルイスや日本の横浜を含む、世界4か国にオフィスを構えている。すでに日米の野球界でプロからアマチュアまで広く浸透している。球場に設置されている解析機器「ホークアイ」は、ブルペンや打撃練習場では使えないが、ポータブルなラプソードは簡単に設置でき、カメラとレーダを利用して、投手なら投球速度、スピン量、動き、打者なら打ち出し角度と出口速度などのデータを収集できる。同社のリリースによると世界で17万5000人以上の選手と7000人のコーチがこのテクノロジーを使用。2021年に専門サイト「ベースボールアメリカ」が発表した記事によると、MLBのトッププロスペクト500人のうち85%がラプソードを使っているという。
もちろん大谷もラプソードを有効活用してきた。水原容疑者が専属通訳を務めていた頃、大谷がブルペンで投球練習をしている際に、スマホのデータを見せているシーンが度々あったが、これもチェックしていたのはラプソードのデータ。大谷は、主に試合前には屋内で打撃練習を行うが、この際にもラプソードで測定したデータをチェックして打撃スキルを微調整している。
同社のリリースで大谷は、「バッティングの面では、ヒットを打つときの自分の感覚とデータを比較しています。そのデータがあるべき姿と合致すれば、自分の打撃の正しさを確証する手助けになる」とコメントしている。
21日(日本時間22日)の本拠地のメッツ戦で3回に先制の5号2ランを放ち、それは、松井秀喜氏が持っていた日本人メジャーリーガーの通算最多本塁打記録を更新する176号となった。24試合で打率.368、35安打、11二塁打は、両リーグを通じてトップの数字。ドジャース移籍1号をマークするまで9試合かかりファンをやきもきさせたが、これらの数字の裏には、ラプソードのデータをチェックすることで微調整している打撃技術があるのだろう。
さらに大谷は「ピッチングに関しては、自分の投球データが、自分が考えている意図と合致しているかをチェックしています。データを確認できることでリハビリもスムーズになっています」とも付け加えた。
大谷は2025年に投手としてマウンドに立つ計画で昨秋に行った右肘手術からのリハビリを進めているが、そのプロセスにもラプソードで測定したデータが役に立っているという。 二刀流復活へ向けて最高のパートナーとタッグを組むことになったのだ。