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阪神が9回に2点差を逆転して7連勝。雨の戦いを制した
阪神が9回に2点差を逆転して7連勝。雨の戦いを制した

「最後までどうなるかわからへん」“7連勝”阪神の土壇場逆転劇の裏に何があったのか…“雨の戦い”を読み切った岡田監督の洞察力と泥沼マウンドで狂った横浜DeNAの守護神

 阪神が24日、横浜スタジアムでの途中、雨天中断があり集中力を保つのが難しいゲームで横浜DeNAに5-3で逆転勝利し2つの引き分けを挟み7連勝を飾った。7回に森下翔太(23)の守備のミスなどで3点を失って逆転されたが、2点を追う9回に横浜DeNAの“守護神”山崎康晃(31)に3連打を浴びせ、森下の押し出し死球、大山悠輔(29)の同点タイムリー、シェルドン・ノイジー(29)の勝ち越しの押し出し四球などで4点を奪い再逆転に成功した。その裏には岡田彰布監督(66)の展開の先を読む力があった。

「変な試合やったなあ」途中36分の雨天中断

 

 雨に泣き雨に笑った。
「変な試合やったなあ」
 横浜スタジアムの駐車場に姿を現した岡田監督は、そう言って苦笑いした。
 土壇場の9回に2点差をひっくり返しての7連勝。予定されていたライブイベントの関係で午後5時30分にプレーボールがかかった試合が終わったのは午後10時だった。
 雨脚が強くなり6回が始まる寸前に審判団が試合を中断した。
 阪神がノイジーの押し出し四球で1点を先行。その裏も伊藤将がノーヒットノーラン投球を続けて試合が成立した直後だった。
 ベンチで岡田監督は「あそこで中断すると思わんかったけど、2、3点ならまだしも、1―0じゃ止められへんやろ。(ここで雨天コールドになったら)向こうも怒るやろ。やるなあと思ってたよ」と、雨天コールド中止にはならず再開すると踏んでいた。伊藤には「気持ちを切らすな」と伝えていた。
 中断は36分。岡田監督の読み通り、雨が降り続く中で試合が再開した。
 しかし、マウンドに上がった伊藤は、やはり肩が冷えた影響でコントロールがおかしくなった。6回も先頭の石上に四球。得点圏に進められてから後続は立ったが、指揮官が「この回まで」と考えていた7回につかまった。

 佐野、宮崎にヒットを許し、二死二、三塁で、得点圏打率が.353の山本を迎えた。次打者はルーキーで打率は2割そこそこだった左打者の石上。

「満塁にしてもよかったんやけどな。山本には前にもタイムリーを打たれているしな」

 岡田監督は、山本を敬遠する策も考えたが、安藤投手コーチをマウンドに行かせて、その判断はバッテリーに任せた。伊藤―梅野が選んだのは勝負だった。結果、センター前に打たれて2者が生還して逆転を許した。さらに続く石上のライト前ヒットを雨が気になり、大事にさばこうとしすぎた森下が、なんと後逸。ライトフェンスに打球が転がる間に一塁から山本がホームを踏み、2点差に広げられてしまった。それでも岡田監督は「勝負にいったんやから仕方がない」と先の展開を考えていた。
 横浜DeNAは8回からダブルストッパーの森原を投入。佐野、宮崎を引っ込めて、桑原、柴田を入れて守備固めまで行い、勝利パターンに入った。
 森原に対して、佐藤、梅野、木浪が三者連続三振。流れは横浜DeNAに傾いていた。
 だが、66歳になる智将は、「最後まで何が起こるかわからへん展開」と読んでいた。
 2点のビハインドにもかからわず、勝ちパターンの桐敷を8回のマウンドに送ったのである。桐敷は二死二塁のピンチを背負い、4番の牧を迎えたが、ここではベンチは慎重に申告敬遠。そしてラッキーなことに次の5番は阪神が苦手とする宮崎ではなく、柴田に代わっていて、桐敷は冷静にスイングアウトの三振に斬った。
「どうなるかわからへん」
 それが岡田監督が睨んだ逆転劇への狼煙だった。

 

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