• HOME
  • 記事
  • 野球
  • メジャー2勝目ゲットの山本由伸が「言えないような内容」と明言を避けた168km投手ライナーをキャッチした後に漏らした言葉とは?
山本由伸が大惨事になってもおかしくなかった約168キロの強烈ライナーをキャッチした(写真・スポニチ/アフロ)
山本由伸が大惨事になってもおかしくなかった約168キロの強烈ライナーをキャッチした(写真・スポニチ/アフロ)

メジャー2勝目ゲットの山本由伸が「言えないような内容」と明言を避けた168km投手ライナーをキャッチした後に漏らした言葉とは?

 ドジャースの山本由伸(25)が25日(日本時間26日)敵地でのナショナルズ戦に先発、6回を投げて4安打7奪三振無失点の素晴らしい内容でメジャー2勝目をマークした。米メディアが注目したのは、5回に時速104.8マイル(約168キロ)の強烈な投手ライナーを見事にキャッチした場面。山本は心配してマウンドに駆けつけたデーブ・ロバーツ監督(51)と交わした会話の内容を明かさなかったが、ロバーツ監督が暴露した。

 「死ぬかと思った」

 

 まさに神技だった。5回無死からエディ・ロサリオの強烈なライナーが山本を襲う。山本は体勢を崩し、マウンドに右手を着きながらもグラブを差し出してキャッチした。
 スタットキャストによると打球速度は104.8マイル(約168キロ)だった。
 米スポーツサイト「ジ・アスレチック」によると、捕手のオースティン・バーンズは「銃声が響いたようだった。怖かった」と衝撃を受けたという。
 大惨事になってもおかしくないほど危険な打球だった。  
 試合後、山本は、この場面を「気がついたらボールが目の前にあってたまたま反応できた」と振り返った。
 転倒しかけていたこともあり、ロバーツ監督は、トレーナー、通訳を伴ってマウンドに駆けつけた。山本は何やら笑いながら話をしていたが、試合後に、そのやりとりを聞かれて「言えないような内容」と返答を避けた。
 その会話を暴露したのはロバーツ監督。
「彼は“死ぬかと思った”と言っていた」
 しかし、山本は動揺も見せず、そこから2者連続三振。6回もマウンドに上がり二死からオリックス時代の元同僚のジョーイ・メネセス、ルイス・ガルシアに連打を許すものの、キーバード・ルイーズを152キロのストレートで押し込んだ。そのゴロはコースヒットになりかけたが、ちょうどセカンドベース付近にポジショニングしていたミゲル・ロハスがさばき1-0のスコアのまま97球でマウンドを譲った。試合はドジャースが2-1で逃げ切り山本が2勝目を手にした。
 指揮官は、「(山本の言葉は)面白かった。そこからリセットできるのは良いことだ。よく立て直した」と恐怖を乗り越えた右腕を称えた。
 米メディアも注目したのは、このシーン。
 地元紙オレンジカウンティレジスターが「恐怖を乗り越えてチームをスイープに導く」と見出しを取れば、米老舗のスポーツ雑誌「スポーツイラストレイテッド」は「104.8マイル(約168キロ)を奇跡のキャッチ」と伝えた。また前出の「ジ・アスレチック」は「山本が危険を回避して速球で大リーグ最高のスタートを切る」との見出しで報じた。
 山本は「変化球がコントロールできたので、ストレートでいいコースもつけた。これまでの登板の中で一番自分らしいピッチングだったと思う」と自己評価。
 同メディアも山本の投球内容の進化について触れてバーンズ捕手の「私がこれまで彼の投球を受けてきた中で最高のものだった」というコメントを紹介した。
「ストレートを狙ったところに投げられているし、本当にコントロールがいい。プレートから外れることなく球種を混ぜていた。彼にとってストレートが一番大事なボールだとわかった。打者にはタイミングは合っていなかった。ストレートは甘くはいけない」
 この日の山本はストレートを低めに集めていた。メジャーではストレートを高めに使うのが主流だが、アシスタントピッチングコーチのコナー・マクギネスは、オリックス時代のようにストレートを低めに集めることを許可したという。ストレートがカウント球にも決め球にも使えるので投球に幅が生まれた。4回には先頭のメネネスに二塁打を許したが、続くガルシア、ルイーズをいずれもストレートで外野フライに打ち取っている。
 「ジ・アスレチック」は「山本のストレートがメジャーで通用するのか?という疑問が生まれていたが、彼は、この日、明確な答えを出した。カウントの早い段階で他の球を使ってストライクを取ることに気づいた。山本が投げた速球は、それほど危険を招かなかった」と評価。同メディアによるとストレートをヒットにされたのは1球だけだったという。

関連記事一覧