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オレゴン世界陸上の女子マラソンで9位まで追い上げた松田瑞生だったがハイペースについていけず「世界は強かった」と涙を流した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
オレゴン世界陸上の女子マラソンで9位まで追い上げた松田瑞生だったがハイペースについていけず「世界は強かった」と涙を流した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

松田瑞生が9位健闘も入賞に届かず涙…オレゴン世陸で見えた日本男女マラソン界の新たな課題とは?

 

オレゴン世界陸上で期待を集めていた男女のマラソンがいずれも入賞無しの結果に終わった。18日には現地で女子マラソンが行われ、松田瑞生(27、ダイハツ)が2時間23分49秒のタイムで9位に終わった。今大会から見えてきた日本マラソン界の課題とは?

「世界は強かった」

 スタート前から暗雲が立ち込めていた。  男子の日本記録保持者である鈴木健吾(27、富士通)と東京五輪で8位入賞を果たした一山麻緒(25、資生堂)が新型コロナウイルスの検査で陽性反応。女子のレース前日には新谷仁美(34、積水化学)にも陽性反応が出た。その結果、男子は2人、女子は1人の出場になったのだ。

 女子は松田が唯一出場。スタート時の気温10.3度のレースは序盤からハイペースになった。松田は2.5㎞付近で早くもトップ集団から離れたが、自分のペースを刻んで、徐々に順位を上げていく。先頭は5㎞を16分10秒で入ると、アフリカ勢を中心とした8人のグループが形成された。途中、ペースは落ち着いたものの、27㎞までの1㎞が3分01秒まで跳ね上がり、優勝争いはゴティトム・ゲブレシラシェ(エチオピア)とジュディ・コリル(ケニア)に絞られる。41㎞過ぎにコリルを引き離したゲブレシラシェが2時間18分11秒の大会新記録で金メダルに輝いた。

 10㎞地点で16位だった松田は東京五輪代表を逃した悔しさをバネに終盤は入賞ラインに猛追する。41㎞地点で2秒差まで迫るも、2時間23分49秒の9位でレースを終えた。レース後半の力走は感動を呼んだが、松田本人は納得していなかった。

 レース直後のインタビューでは、「たくさんの方に支えてもらって立てたスタートラインですが、期待に応えることができず、本当に申し訳ございませんでした」と話すと涙が止まらなかった。

 レースの感想については、「やっぱり世界は強かったです」と答えると、「この悔しさを糧に次また勝てるように世界の猛者としっかり戦えるようにイチから頑張っていきたいと思います」とパリ五輪でのリベンジを誓った。

 

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