敵前逃亡?!井上尚弥の9月防衛戦相手がグッドマンから元世界王者ドヘニーに変更へ…理解し難い事態が起きた裏事情とは?
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)が9月に予定している防衛戦の相手が最有力だったWBO&IBF世界同級1位のサム・グッドマン(25、豪州)から元IBF世界同級王者のテレンス・ジョン・ドヘニー(37、アイルランド)へ変更されることが濃厚になった。豪州版「フォックス・スポーツ」が28日に伝えたもので、グッドマンは今日29日に現地で会見を開き7月に予定している次戦を発表するという。大橋秀行会長(59)は今月末をメドに粘り強い交渉を続けていたが、まとまらなかった模様。指名挑戦権を持つグッドマン陣営は12月に挑戦したい意向のようだが、WBAの指名挑戦者である元WBA&IBF世界同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(29、ウズベキスタン)も控えており、王者側のオファーを拒否したことで指名挑戦権を剥奪される可能性もある。
今日29日にグッドマンが現地で次戦の会見
なんとも理解し難い行動だ。
1階級上のフェザー級王者からも次から次へとラブコールが舞い込むモンスターの9月の防衛戦の最有力対戦候補だったグッドマンが7月に予定していた次戦の調整試合を優先させ、井上への挑戦を見送ることが濃厚になった。
豪州版「フォックス・スポーツ」が伝えたもので、今日29日にシドニー近郊のウーロンゴン・エンターテインメント・センターで、7月に予定している次戦の発表を行うという。
同メディアはグッドマンが6日に東京ドームを訪れ、試合後にリングに上がり対戦表明をしていたことを伝え、「グッドマンが日本かサウジアラビアで井上と対戦すれば、100万ドル(約1億5700万円)の賞金と、勝てばさらに高額な再戦報奨金が手に入る」とした上で、こう続けた。
「セントラルコーストのコンプリート・ボクシングジムでトレーニングするこのファイターは、親しいティム・チュー(元WBO世界スーパーウエルター級王者)が、定期的に試合をすることで成功を収めてきたのと同じ方式を続けたいと考えている。グッドマン陣営は(井上と)12月の対戦を望んでおり、少なくとも7月にもう1試合をさせ、その後、4団体統一王者(井上)に全神経を集中させたいと考えている」
グッドマン陣営の事情に詳しいプロモーターの1人も同じ見解を明かしていた。
「グッドマンはこれまで短い間隔で試合を続けています。“我々は止まらない”とプロモーターは話をしていました。井上チャンピオンとの世界戦に合わせるよりも、自分たちの興行ペースを守りたいのでしょう。だから7月の試合を優先させ9月の試合を渋っているんだと思います。絶対に負けたくないという気持ちが強いのでしょう」
グッドマンは、昨年3月に代役として最有力候補のドヘニーに判定勝利すると、6月にIBF同級挑戦者決定戦で井上の対戦候補として名前のあがっていたライース・アリーム(米国)に判定勝利。その後、10月、12月と試合を続け、今年3月にも格下のマーク・スクリーブス(豪州)に4回TKO勝利するなど、約1年で5試合のハイペースで試合を消化している。また「フォックス・スポーツ」が伝えたグッドマンへの1億5700万円のファイトマネーは、あり得ない金額だが、グッドマン陣営のプロモーターは豊富な資金を持っていて「井上と戦えば手にできる過去最高額のファイトマネーも問題にしていない」という。
「条件よりも自分たちのやり方を優先したいのだと思います」