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西武の渡辺GM兼監督代行は初陣を白星で飾ることができなかった(写真提供・西武ライオンズ)
西武の渡辺GM兼監督代行は初陣を白星で飾ることができなかった(写真提供・西武ライオンズ)

「監督が代わって何も変わっていない」西武の渡辺GM兼監督代行の初陣も無残…ミスを連発して目指すべき“嫌らしい野球”を実践したのは中日

 西武の渡辺久信GM兼監督代行(58)が初陣を白星で飾れなかった。西武はセパ交流戦が開幕した28日、敵地のバンテリンドームで中日と対戦したが、守りのミスが重なり、先取点を許し意表を突くスリーバントスクイズで追加点を奪われるなどし0-3のスコアで敗れた。西武は26日に成績不振から松井稼頭央監督(48)を途中休養させる緊急の監督人事を発令していたが、いきなりの“カンフル剤”とはならなかった。一方の中日は3試合連続の完封勝利で3連勝を飾った。

 守りのミスが重なりスリーバントスクイズにも無警戒

 

10年ぶりに一塁を守った“おかわり君”が膝をついたまましばらく凍り付いた。ベンチでは11年ぶりに現場復帰した渡辺GM兼監督代行もその場を動かない。9回、中日の守護神マルティネスの前に三者凡退。渡辺GM兼監督代行の初陣は0-3の完封負けとなった。
 今回の監督人事についてパの野球に詳しい評論家の池田親興氏が「監督を代えても何も変わらない。プラス材料が見えない」と評していたが、ミスで墓穴を掘った。
 3回だ。ファームから緊急昇格させた新外国人のコルデロが守りで足を引っ張った。岡林のレフト前ヒットのバウンドがスライスするとコルデロは打球についていけず後ろへそらした。岡林は悠々二塁へ。イレギュラーはしたが、左打者のレフト方向への打球がスライス回転することを頭に入れておけば、十分に対処できるもの。記録に残らないミスだ。
 さらに悲劇は重なる。
 続く高橋宏の送りバントを処理した今井が三塁へとんでもない悪送球。タイミングは完全にアウトだったが、ボールがファウルグラウンドを転々とする間に先制点を許してしまった。記録は野選と失策。スポーツ各紙の報道によると、試合後に渡辺GM兼監督代行は「好投手同士の対戦でミスが出てしまった部分が大きい」と振り返り、コルデロの起用については「どっちのリスクを取るか」と、ある程度、守備のミスは織り込み済みであることを明かした。
 その期待の打つ方では、2回二死三塁で強烈な一塁ライナーは放ったが、8回には弱点である高めの釣り球に手を出してスイングアウトするなど、3タコに終わり、リスクを負って起用した見返りをバットでアピールすることはできなかった。
 この3回は、1失点だけで終わらなかった。一死三塁から田中にカウント2-2からスリーバントスクイズを決められた。走者は高橋宏だったこともあって、西武は、まったくの無警戒だった。
 試合後、立浪監督はこの場面を「どうしても、もう1点欲しかったので、ちょっと勝負をかけてみた。2ストライクから幹也(田中)がよく決めてくれた、助けてくれました。セーフティースクイズは別にして、スクイズは年間2、3回のサイン。それを決めてくれたのは大きかったと思う」と振り返っている。
 本来ならミスにつけこみ裏をかくような“嫌らしい野球”は、西武がやるべき野球ではなかったか。

 

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