なぜロッテは“ミラクル”を生みだせるのか…阪神に2試合連続サヨナラ勝利で19年ぶりの11連勝…ヒーローは現役ドラフトの愛斗
ロッテが1日、ZOZOマリンで行われた阪神戦で2試合連続のサヨナラで3-2勝利。4つの引き分けを挟んで日本一となった2005年以来19年ぶりの11連勝を飾った。1―2で迎えた9回一死二塁から友杉篤輝(23)のタイムリー二塁打で同点に追いつくと延長11回に二死二塁から途中出場の愛斗(27)がライトオーバーのサヨナラ打。現役ドラフトで西武から移籍したヒーローは、新天地初のお立ち台に指名され「ロッテの一員になれた」と感激を伝えた。4試合連続で9回に追いついての延長戦。これで15試合負けなしで、貯金は今季最多の9となり2位をキープした。
4試合連続で9回に追いつく
4度も続けばもうミラクルではないのかもしれない。
またしてもロッテが土壇場の9回に追いつく。一死から虎のWストッパー岩崎に送った代打の中村の打球がセンターへ。突っ込んできた近本は捕球地点にすべりこんだが、ほんのわずかに目測を誤り、打球はグラブをスルー。二塁打となった。続く佐藤は三振に倒れ、二死まで追いつめられたが、前日に4安打している絶好調の8番打者、友杉がインコースのストレートをレフト線へ引っ張って、同点のタイムリー二塁打。試合を振り出しに戻した。
「僕で勝負に来ると思ったんで思い切っていった。いつも会心のあたりが定位置(なので)。超えてくれるか心配でした」
さらにサヨナラのチャンスに代打の愛斗。1球、2球と、外角のチェンジアップに強引にスイングを仕掛けて、空振りの三振に終わり、4試合連続の延長戦に突入した。愛斗はそのまま「9番・ライト」で打順に残り、この悔しさがドラマを生み出すことになる。
延長11回。回跨ぎの2イニング目に突入していた阪神の西純から代打のまま残った中村がセンター前ヒットで出塁し、佐藤が1球でバントを決めた。ラッキーボーイの友杉はレフトフライに倒れ、二死となったが、2打席目の愛斗が腕ぶしていた。
吉井監督は「代打も考えた」という。
だが、金子戦略コーチが「右(投手)だけど愛斗が合うかもしれませんよ」と進言。そのまま打席に立たせた。
「チャンスで三振したので、次は絶対に打つぞと。三振したときは打席で焦りがあった。球種を問わずに甘い球だけを狙っていた」
ベンチでは福浦ヘッド兼打撃コーチ、村田打撃コーチからも「甘い球だけを狙え」とのアドバイスをもらっていた。
1、2球とインローの変化球を見逃し、3球目のスライダーは高めに浮いたストライクだったが。手を出さなかった。
4球目がベルト付近のストレート。
「芯で当たったので超えると思っていた」
手応え十分の打球がライトの頭上を越えていった。
プロ9年目にしての初のサヨナラ打。もちろんロッテでヒーローになったのも初だ。
「ファンの声が届いた。やっとロッテの一員になれた」
その言葉に実感がこもっていた。