「井上尚弥、拓真に勝てる」「欠点を見つけた」桜庭和志を崇拝するバンタム級世界ランカーと無敗のフェザー級有望株ボクサーが名声を求めてモンスターへ“挑戦状”
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)との対戦を熱望する世界の猛者が後を絶たない。米専門サイト「ボクシング・シーン」が報じたもので、WBA世界バンタム級9位にランクされているエロス・コレア(31、米国)が「井上尚弥、拓真の兄弟に勝てる」と豪語。また1階級上のフェザー級のWBO4位、WBC7位、IBF12位のブルース・キャリントン(27、米国)も「奴の欠点はわかっている」と訴えた。2人は、共に米国の有望株だが、まだ王者でもない無名の存在。モンスターの強さと、軽量級の常識を覆している破格のファイトマネーは垂涎の的のようだ。
「ネリに倒された井上尚弥は無敵ではない」
まだ王者でもないボクサーからの挑戦状が相次いで舞い込んだ。米専門サイト「ボクシングシーン」が伝えたもので、一人目は、バンタム級のWBA9位にいるコレアだ。
「まずは弟(井上拓真)を狙う。そして弟を倒したら、『(次は)お兄ちゃんだ! 』って(リング上で)叫ぶよ」
まずはWBA同級王者の井上拓真(大橋)にターゲットを絞り、そこで王者となってから、階級を上げて井上尚弥に挑む計画だという。
「ああ、彼(井上尚弥)には勝てると思う。ルイス・ネリに倒されたのを見ただろう? 彼は無敵じゃない。何が起こるかわからない」
コレアは、井上尚弥が5月6日の東京ドームでのルイス・ネリ(メキシコ)戦で、1ラウンドに左カウンターを浴びて、まさかのダウンを喫したシーンに可能性を見出している。
コレアは、もう31歳だが、14勝(9KO)1敗の戦績を持つ有望株で、先日、米のプロボックスTVと専属契約を果たした。2011年の世界選手権に出場するなどのアマ経験を経て、2017年にプロデビュー。右のパンチに威力を持つオーソドックススタイルのボクサーファイターで現在4連勝中。2022年6月にはサウル・サンチェス(米国)に2-1判定勝利した。サンチェスは今年1月に元WBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニー(豪州)に挑戦して僅差の0-2判定負けした世界ランカー。ちなみのそのモロニーは5月6日の東京ドーム決戦で元K-1王者の武居由樹(大橋)にタイトルを奪われている。
日本時間の明日6日に米国フロリダ州で、プロボックスTVとの契約第1戦を12勝2敗の強豪のウォルター・サンティバネス(米国)と戦う。
コレアの共同マネージャーであるジェシー・サンチェス氏は「エロスはこの舞台で輝きを放ち、バンタム級でランクを上げ続けると確信している。世界タイトル戦まで、あと数勝に迫っている」と説明した。
井上拓真の次戦は元日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)との防衛戦が濃厚だが、コレア陣営は、明日の試合で世界ランクをアップさせ、来年にも井上拓真のベルトに挑戦することを計画している。
「ボクシング・シーン」によると、コレアはブラジリアン柔術のグレイシー一族を次から次へと倒して「グレイシーハンター」として名をあげた総合格闘家の桜庭和志を崇拝しており、「イノウエハンター」として、日本で名声を手にしたいという。