• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • なぜ浅野拓磨のドイツ・ボーフムからスペイン・マジョルカへの“サプライズ”移籍が実現したのか…「最前線に火薬を」「新たなる久保建英」とスペイン紙は評価
ブンデスのボーフムの1部残留に貢献した浅野拓磨がリーガのマジョルカに電撃移籍(写真・アフロ)
ブンデスのボーフムの1部残留に貢献した浅野拓磨がリーガのマジョルカに電撃移籍(写真・アフロ)

なぜ浅野拓磨のドイツ・ボーフムからスペイン・マジョルカへの“サプライズ”移籍が実現したのか…「最前線に火薬を」「新たなる久保建英」とスペイン紙は評価

 サッカーのスペイン1部リーグのマジョルカは6日、日本代表FW浅野拓磨(29)を獲得した発表した。昨シーズンはドイツ1部リーグのボーフムで、29試合に出場して6ゴールをマークした浅野は契約満了に伴って退団。ステップアップを望んで新天地を探していたなかで、日本代表MF久保建英(23、レアル・ソシエダ)もかつてプレーしたマジョルカと2年契約を結んだ。11月には30歳になる浅野の加入を、スペインメディアは「マジョルカがサプライズで『新たな久保』を獲得した」と報じている。

「君の咆哮を見る瞬間が待ちきれないよ、ジャガー!」

 3シーズン所属したブンデスリーガ1部のボーフムを、契約満了に伴って退団すると発表されてから1カ月あまり。ヨーロッパでのステップアップを希望していた浅野の新天地が、ラ・リーガ1部のマジョルカに決まった。
 クラブの公式HP上で、6日夜に「ようこそ」という日本語とともに浅野の加入を発表したマジョルカは、同時にクラブの公式X(旧ツイッター)も更新。おなじみのゴールセレブレーションの「ジャガーポーズ」を決める、日本代表のユニフォームに身を包む浅野の写真とともに、和訳すれば次のようになるスペイン語を添えている。
「君の咆哮を見る瞬間が待ちきれないよ、ジャガー!」
 ボーフムからの契約延長オファーに断りを入れた浅野は、引き続きヨーロッパでのプレーを念頭におきながら「次のステップに進みたい、という気持ちがある。成長できるチームにいきたい」と11月には30歳になる新シーズンをみすえていた。
 一時は2016-17シーズンから2年間所属した古巣で、新シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに出場するシュツットガルトが新天地候補として報じられた。しかし、同じヨーロッパの5大リーグのなかでも、通算で6年間プレーしたブンデスリーガ1部はともかく、ラ・リーガ1部はまったく可能性が報じられていなかった。
 それだけに、浅野の加入はスペイン国内で驚きをもって受け止められた。同国のメディア『ESTADIO DEPORTIVO』は、2019-20シーズンおよび2021-22シーズンに所属した久保の名前を含めた、こんな見出しで浅野のマジョルカ入りを伝えた。
「マジョルカがサプライズで『新たな久保』を獲得した」
 何をもって「新たな久保」なのか。記事は次のように伝えている。
「2024-25シーズンへ向けて、マジョルカかは再び攻撃の補強を日本人選手に求めた。攻撃的なエリアでプレーする『新たな久保』とでもいうべき日本人選手の加入を発表し、われわれに驚きを与えた。それはいったい誰なのか。答えは浅野拓磨だ。久保と同じく、浅野もピッチ上でのポジションが固定されているわけではない。多用途性のある浅野は武器である機動力やスピードを駆使して前線を動き回り、相手チームの守備陣を混乱に陥れる。日本では『ジャガー』の愛称で親しまれる彼は、日本代表として52試合に出場して9ゴールをあげ、カタールW杯にも出場している」
 ボーフムでの3シーズンの成績は、公式戦90試合に出場して14ゴールだった。昨シーズンは入れ替え戦の末に1部残留を果たすなど、常に残留争いを強いられてきたチーム事情もあるが、それを差し引いてもやや物足りない数字だった。
 ただ、記録よりも記憶に残るゴールを決めてきた。移籍金が発生しないフリートランスファーと合わせて、それがマジョルカからのオファーを手繰り寄せた。
 ボーフムで語り継がれるのは2022-23シーズンの最終戦。負ければ2部チームとの入れ替え戦に回る、断崖絶壁の状況で臨んだレバークーゼン戦で先発した浅野は、1ゴール1アシストの大活躍を演じて3-0の快勝と14位での1部残留に導いた。
 同シーズンのゴール数がわずか「3」だっただけに、周囲が驚いたのも無理はない。地元紙の採点で最高評価を与えられた浅野は、後に森保ジャパンへ招集された際に「自分を警戒する対戦相手が間違いなく増えてきた」とゴールの要因を語っている。

 

関連記事一覧