大西葵とキャディーの”トラブル”に異例の双方注意処分もインスタにアップした謝罪文を巡ってまた”炎上騒ぎ”
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は25日、6月23日の「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)の競技中に起きた大西葵(28、YKK AP)と帯同キャディーの大江順一氏(43)とのトラブルについて両者を注意処分にする決定をしたと発表した。 これを受け大西は自身のインスタグラムに謝罪文を掲載したが、その内容を巡ってインスタのコメント欄が“炎上“する異常な展開となっている。また”喧嘩両成敗“的に両者に処分が科されたことや、その処分の程度を巡ってもネット上では賛否が噴出。JLPGAは27日に改めて会見を開き、今回のトラブルについて説明する予定だが、そこでトラブルの幕引きとなるのだろうか。
「キャディーに舌打ちをしたり大きな声を発するなど配慮を欠いた言動があったと認定」
前代未聞のトラブルから1か月以上が経過してようやく大西とキャディーの大江氏の問題に処分が下された。
この日、マスコミ各社に配布されたリリースによると、JLPGAのトーナメント事業部は、大会終了後に両者から聞き取り調査を実施した。その結果、同大会の第1ラウンド(R)が行われた6月23日の17番ホール及び18番ホールにおいて大江キャディーが同伴競技者及び同伴競技者の帯同キャディーに対し、舌打ちをしたり、大きな声を発するなど配慮を欠いた言動があったと認定。その行為がJLPGAトーナメント罰則規定第4条第1号の「その他JLPGAトーナメント規約に付随する諸規定に違反すること」に該当すると判断し、罰則基準に基づいて、今回の処分が決定した。
トーナメント規約にある「帯同キャディー規則」には「キャディーに関する一切の責任は、当該キャディーを帯同した選手が負う」と明記されており、キャディーの雇用主である選手がまず処罰の対象となる。その上で、違反の程度によって帯同キャディーの処分が決まるわけだが、ツアー関係者の一人は「両者とも注意処分という喧嘩両成敗的な結論は意外だった」と言う。
「帯同キャディー規則」に抵触した違反者の罰則基準は(1)帯同した選手への注意(2)帯同した選手への罰金(100万円以下)(3)帯同キャディーの職務停止または登録取り消し(10年以下)と定められている。今回のように帯同キャディーへの注意の項目はなく、最も軽い罰則の(1)で着地させるならば、選手である大西への注意処分だけだったはず。だが、実際には、帯同キャディーの大江氏にも注意処分の裁定が下された。専門家の目から見れば、そこが異例というわけだが、大江氏の行動によほどの問題があったとJLPGAは判断したのだろうか。
この処分を巡ってネット上では、様々な意見が書き込まれた。
「両者から聴き取りをして双方に注意処分したのは妥当」と評価する声がある一方で「認定された事実の説明不足」「大西に問題のある行為はなかったのか。喧嘩両成敗なら、選手の行為に対しても注意されるべき」「大西のバッグを許可なく動かした同組のキャディーへの処分はないのはおかしい」(※セルフプレーは違反だが「親切心」として同伴競技者のキャディーがバッグを運ぶことは認められている)との意見もあり、1か月以上かけて出されたJLPGAの“裁定”へ不満の声が目立った。
帯同キャディーが前代未聞の〝職務放棄〟と報道されたトラブルは、 17番、18番ホールで起きた。大西の17番ホール2打目のミスショット後の攻略方法を巡って、2人の意見が対立して口論となり、その後、大江氏がバッグを運ばない“職務放棄”とみられる行為があったため、同組のキャディーがバッグを動かした。大西は18番のティーで競技委員に帯同キャディーの交代を申し出て、18番からは、関係者がバッグを担ぎ、大江氏はラウンド中にその場を去った。
大江氏は、その後、「週刊文春」のインタビューに答えて反論を展開。 「僕が職務放棄をしたり、キレたりしたと報じられていますが、そんなことはありません。あくまでいつも通りにしていました。仮にこれで処分されるようなことがあれば不本意です」と語り、キャディーバッグをコース上に置いたまま歩きだしたことなどについても正当性があったと主張した。
また問題のシーンの動画がネットにアップされ、大西の声などが拾われてSNSで拡散すると「大江氏は職場放棄したわけじゃない」「むしろ冷静さを欠いた大西の態度の方に問題があるのでは?」などという“大西バッシング“の声が上がり出した。
そういう展開を経ての今回の処分である。
JLPGAサイドは、“大甘“とも言える最も軽い処分での〝喧嘩両成敗〟で決着をつけたが、まだ完全な幕引きとはなっていない。
この日、大西が、インスタにアップした謝罪文が、さらに、この問題を”再炎上”させることになったのだ。
大西は「お詫びとご報告について」という題名の文書の中で最初に「この度は、アースモンダミンカップにおける私と帯同キャディの対応に関して、主催者であるアース製薬様をはじめ、同伴競技者および同キャディやファンの皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたこと、お詫び申し上げます。同協会からは注意処分を受けましたことを真摯に受け止め、今後は選手としての自覚を改めて持ち、二度とこのような事が起こらないように留意いたします」と謝罪した。
だが、続いて、「また、私の気持ちも少しお伝えさせていただきたく存じます」として、当日の17番、18番ホールで起きていたことをこう説明した。 「今回、私はキャディの交代を申し出ました。理由といたしましては、キャディが同伴競技者、同キャディに対し大きな声を出したり、暴言を吐いたりしていたからです。私はその点を注意したのですが、その後も感情的になり、キャディとしての仕事をしなかった為、交代を申し出ました。私に対してだけならまだしも、他の選手やキャディに迷惑を掛け、同時に僅かでも怖い思いをさせてしまった事は、私としては、本当に許せませんでした。私たちプロゴルファーにとって、一つ一つの試合がとても大切であり、全力で優勝を目指すために、日々練習やトレーニングに励んでおります。それにも拘わらず、身勝手な行動や感情的な発言で大事な試合が台無しになるのは、同伴競技者だった選手に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたし、同時に悔しい思いがございました」