「必然の一発」「現実ではないようだ」ジャッジ、ハーパー、スキーンズら球宴スター達は大谷翔平の驚愕3ランをどう語ったか?
MLBオールスターゲームが16日(日本時間17日)、米テキサス州アーリントンで行われ、ドジャースの大谷翔平(30)は、ナ・リーグの「2番・DH」で先発出場し、3回に4度目の球宴出場で初本塁打となる先制3ランを放った。これで米球宴で史上初となる勝利投手と本塁打をマーク。並み居るスーパースター達が大谷の一発に驚愕した。大谷は3打席立ち、四球、3ラン、空振りの三振だった。
ドジャースでは1996年のマイク・ピアザ以来の球宴アーチ
「ミッドサマークラシック」の夜に鮮烈な花火を打ち上げたのは大谷だった。3回無死一、二塁で回ってきた大谷の第2打席。28歳にして球宴初出場となったレッドソックスの先発右腕、タナー・ホークがカウント2-0から投じた3球目だった。インサイドに抜けて甘く入ってきた88.7マイル(約142.8キロ)のスプリットを捉えた。
「ちょっと(バットの)先気味だったが、いい角度であがったので十分入るのではないかなと」
大谷は確信歩き。ライトを守るヤンキースのファン・ソトは一歩も動けない。打球速度103.7マイル(約166.9キロ)、飛距離400フィート(約122メートル)を記録した先制3ランがライトスタンドの中段に吸い込まれた。3万9343人と発表されたグローブライフ・フィールドを包んだのは歓声ではなく、驚きに似たどよめき。笑みを浮かべてダイヤモンドを回った大谷は、三塁ベースを回る手前でドジャースでお馴染みのセレブレーションポーズを作った。
FOXスポーツが中継した会見の中で大谷は「オールスターで打てていなかったので、いいヒットが出たことで自分としてはホッとした」と振り返った。
日本人選手としての球宴本塁打は、2007年にサンフランシスコでイチローがマークしたランニング本塁打以来2人目。大谷は、当時、13歳。「小さい頃だったので記憶は曖昧で覚えていない」。ドジャースの選手では1996年に野茂英雄の“強打の女房”として日本でも知られたマイク・ピアザ以来、28年ぶりの本塁打となった。
ロサンゼルスタイムズ紙は「ダグアウトでは、ドジャースのチームメートのフレディ・フリーマンが祝福で腕を動かし、タイラー・グラスノーの口はぽかんと開いていた」と、その瞬間の様子を伝えた。
大谷曰く、ベンチ内では、ナ・リーグを代表するスーパースター達から「ナイススイング」「グッジョブ」と声をかけられたという。
29本塁打でナ・リーグの本塁打争いでトップを走る実力を示した。勢ぞろいした両リーグのスーパースター達が大谷のアーチに驚愕した。
MLB公式サイトによると、ナ・リーグで最多得票を獲得して4番を打ったフィリーズのブライス・ハーパーも「とても凄かった。ホークは、スプリットを真ん中に残してしまい、大谷は自分の仕事をやり遂げた」と、失投を一発で仕留めた精度を絶賛した。
一方の大谷は、試合前にハーパーと共に打撃練習を行い「どんな練習をしているのかを見て勉強になった」という。
打たれたホークは、昨年までシーズン最多が6勝の投手だったが、今季は、ここまで19試合に先発して8勝6敗、防御率2.54とブレイクして初めて夢舞台に選出された。
MLB公式サイトによると、ホークは、こう悔やんだ。
「もう少し低めか(ストライク)ゾーン外を狙った。私が許した(大谷の3ランを含めた)4本のヒットのすべては良いボールだったが、相手が最高のプレーを見せていれば簡単にアウトにはならない。各チームのトップの1人、2人と対戦していれば、少しばかり多くの罰を受けることがある。(大谷という)優れた打者が素晴らしいシーズンを送っている。あのスイングに穴は多くない。私にできることは投球をできるだけしっかりと決めることだった」