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先制ゴールを決めた藤田譲瑠チマ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
先制ゴールを決めた藤田譲瑠チマ(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

あの“レジェンドストライカー”アンリ監督が「日本は非常にいいチーム」と評価…パリ五輪前哨戦で日本が開催国フランスと1-1引き分け

 パリ五輪に出場するU-23日本代表が17日(日本時間18日、フランス・トゥーロンのスタッド・マイヨールで開催国のU-23フランス代表との国際親善試合に臨み、1-1で引き分けた。前半25分にキャプテンのMF藤田譲瑠チマ(22、シントトロイデン)のゴールで先制したが、後半開始早々に追いつかれた。放ったシュートがわずか1本。防戦一方の展開が続いた五輪前で最後の一戦を藤田は「負けなかったのをプラスに考えていい」と評価した。五輪初戦は24日(同25日)のU-23パラグアイ代表戦だ。

 シュートはたった1本も藤田が決め切った

 

 唯一のシュートを先制ゴールに結びつけた。
 キックオフから猛攻にさらされ続けていた前半25分。フランスのGKギョーム・レステス(19、トゥールーズ)がボランチのクアディオ・コネ(23、ボルシアMG)へ短い縦パスを通した瞬間に、日本が連動したハイプレスを発動させた。
 まず藤田がコネの背後からプレッシャーをかける。コネのトラップがやや大きくなったところへ、FW藤尾翔太(23、FC町田ゼルビア)が激しいタックルを見舞う。コネに続いて藤尾も体勢を崩したが、藤尾のファウルを告げる主審の笛は鳴らない。
 すかさずこぼれ球を拾ったMF三戸舜介(21、スパルタ・ロッテルダム)がボールを右へもちだすと見せかけて、次の瞬間、ヒールを駆使して自身の背後にいた藤田へパスを送った。トリッキーな三戸のプレーにオーバーエイジで招集されている一人、DFロイク・バデ(24、セビージャ)も完全に意表を突かれてしまった。
 ペナルティーエリア内の左側でフリーになった藤田は、慌てて前へ詰めてくるレステスの動きを見極めながらワンタッチで右足を合わせて、狙い済ました一撃をゴール右隅へ流し込んだ。圧倒的に押し込みながらも日本に先制を許した場面を、試合を速報で伝えていたスポーツ紙の『L’EQUIPE』はこう伝えている。
「日本のキャプテンが、右足で放ったシュートでフランスのキーパーを欺いた」
 試合中に大声で指示を飛ばし続けていたからか。
 U-23日本代表の大岩剛監督(52)はかれた声で臨んだフラッシュインタビューで先制点を振り返った。
「ベンチからの指示というか、われわれの強みでもある、ミドルゾーンでボールを奪ってからのショートカウンター、といった部分がよく出たと思う」
 もっとも、藤田は90分間を通じて日本が放ったシュートが、自身のゴールとなったこの1本だけだった点に反省の思いを込めた。
「少ないチャンスのなかで決め切れたのはよかったけど、中盤の選手としてもっとチャンスメイクを増やすとか、そういうところをやっていかなきゃいけない」
 現役時代はストライカーとして活躍したティエリ・アンリ監督(46)のもと、約1カ月にわたってキャンプを積んできたU-23フランス代表は、1週間後のパリ五輪グループステージ初戦をにらみ、ほぼベストの布陣で臨んできた。
 2トップを組んだのは、ともにオーバーエイジ枠で招集されたアレクサンドル・ラカゼット(33、オリンピック・リヨン)とジャン=フィリップ・マテタ(27、クリスタル・パレス)。昨シーズンのフランス・リーグアンで19ゴールをあげた前者と、同じくプレミアリーグで16ゴールをあげた後者のコンビは日本に脅威を与え続けた。
 そして、同点ゴールはラカゼットのアシストから生まれた。後半開始2分。後方からのロングボールを、頭で絶妙の位置に落とした直後。フリーの状況でボールを拾ったMFミカエル・オリーズ(22、バイエルン・ミュンヘン)が、ペナルティーエリアの外から左足を一閃。鮮やかなミドルシュートをゴール左隅へ突き刺した。

 

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