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パッキャオの公開練習を視察した内山高志氏と具志堅用高氏(写真・RIZIN FF)
パッキャオの公開練習を視察した内山高志氏と具志堅用高氏(写真・RIZIN FF)

具志堅氏「安保のパンチはパッキャオに一発も当たらない」「超RIZIN.3」の公開練習を視察した“レジェンド”が明言…内山氏は強さの秘密を“ふくらはぎ”に発見

 総合格闘技イベント「超RIZIN.3」(28日・さいたまス―パーアリーナ)のセミファイナルに登場するプロボクシングの元6階級制覇王者の“レジェンド”マニー・パッキャオ(45、フィリピン)が25日、新宿区の四谷にある元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者、内山高志氏(44)が経営するKODラボで公開練習を行った。パッキャオは69キロ契約3分3ラウンドのRIZINスタンディングバウト特別ルールで元K-1王者で格闘家の安保瑠輝也(28)と対戦するが、年齢を感じさせない準備万端の動きを披露。視察した日本の“レジェンド”元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏(69)が「(安保の)パンチは一発も当たらない。(逆に一発当たれば)終わりですよ」と“リアル”に予想した。

 高速コンビネーションとステップワークが光る

 45歳になってもパッキャオは凄かった。
 首の運動から足のストレッチまで入念なウォーミングアップを行ってからシャドー。獲物を追うような俊敏なステップワークと高速ハンドワークを披露すると、続いて試合で使用されるRIZIN特製グローブをはめて3ラウンドのミット打ち。サウスポースタイルから、右ジャブ、右フック、左ボディ、アッパー、ワンツー、1、2、3、4までの高速コンビネーションからのワンツー、得意の回転力を使った連打など全種類のパンチをひとつひとつ確認するように繰り出し、時折、「ハッ!」と声を出しながら強打した。迫力満点だ。
 最後は、小さく軽いパンチをパンパンパンと延々3分間、続けて打って見せ、今回の3ラウンドの試合ならば、スタミナになんら不安がないことを示した。
「何か月かトレーニングをし戦う準備をしてきた。スパーリングは数えきれないほどやってきた。仕上がり度?100%だ」
 水面下では、今秋に3年ぶりのプロボクシングの公式戦復帰となるWBC世界ウエルター級王者マリオ・バリオス(米国)への挑戦話が進んでいる。
 パッキャオ自身は「まずこの試合。次のことはRIZINの試合が終わってからだ」と多くを語らなかったが、すでにそこへ向けての準備がスタート。2021年8月のヨルデニス・ウガス(キューバ)とのWBA世界ウエルター級統一戦を最後に“引退”したパッキャオにとって復帰戦への過程にある今回の安保との戦いは、絶好の“世界前哨戦”ともなるわけだ。
 100人以上のメディアやパッキャオが引き連れてきた関係者でジムはごった返していたがそのリングを取り囲むように日本のボクシング界が誇る2人の名世界王者が視察に訪れていた。今なお誰にも破られていない13度の連続防衛記録を持つ具志堅氏は、パッキャオと親しく会話をした後に「現役時代みたいな練習をするんだね」と、その動きを称えた。
「真剣に力強い練習をしている。試合は3ラウンドらしいね。十分やるんじゃないか」
 そして試合の予想を聞くと、忖度無しにこう言及した。
「いやあ。(安保の)パンチは当たらないですよ。一発も。この動きじゃ。もしかしたら倒さないで(3ラウンドを)フルに遊ぶのか、1ラウンドで終わらせようとするのか、どんなボクシングをしてくるかわからないが、(パッキャオの)パンチが(安保に)当たったら終わりですよ」
 安保は元K-1王者だがボクシング経験はなし。しかも五味隆典との試合で手を骨折したRIZINフェザー級王者、鈴木千裕の代役指名で準備期間も短い。ボクシング界のレジェンドが厳しい予想を立てるのも当然だろう。
 現役時代「KOダイナマイト」の異名を取った内山氏は、そのステップワークに注目した。
「全力でやっていないが、ステップワークやペースをガッと上げるようなところは凄いよね。相手の外側から回るステップ。昔から見ているパッキャオ独特のステップで、あれをやられたら(安保のパンチは)当たらない。仕上がっている。関係者に聞いたら普段からずっとトレーニングをしているみたい。年齢の影響で急激に力が落ちることはないよね」
 そして内山氏は、そのまるで“肉塊”のようにパンパンに張っていた「ふくらはぎ」の筋肉の発達ぶりを見逃さなかった。
「ふくらはぎが凄かった。あれがないと瞬間的なステップ、踏み込みができないんでしょうね」

 

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