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女子スケートボード(ストリート)で金メダルの吉沢恋(右)と銀メダルの赤間凛音(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
女子スケートボード(ストリート)で金メダルの吉沢恋(右)と銀メダルの赤間凛音(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「観客が息をのむトリック」海外メディアは女子スケボー吉沢恋&赤間凜音のティーンエイジャーの金銀独占を賞賛

 パリ五輪スケートボードの女子ストリート決勝が28日(日本時間29日)、同市内のコンコルド広場で行われ、14歳の吉沢恋(ここ、ACT SB STORE)が金メダル、15歳の赤間凜音(りず、東北高1年)が銀メダルを獲得してワンツーフィニッシュを達成した。前半のランを2位で通過した吉沢は、後半のベストトリックで一時は4位にまで後退したが、4本目で起死回生の大技を成功させて赤間を大逆転。五輪の正式競技になった前回東京大会を13歳で制した西矢椛(16、サンリオ)に続く日本勢の連覇を達成。海外メディアは日本のティーンエイジャーの活躍を称賛した。

 超高難度の大技「ビッグスピンフリップボードスライド」

 パリの青空へ両手を高々と突き上げた。
 4位に後退して迎えたベストトリックの4本目。吉沢が乾坤一擲の大勝負を挑んだ。公式戦では世界で吉沢以外には決めていないとされる超高難度の大技、ビッグスピンフリップボードスライドを迷わずに繰り出した。
 脳裏に鮮明に刻まれていた成功体験が、14歳にして世界ランキング1位に立つ吉沢に勇気を与えていた。表彰式後のフラッシュインタビュー。日本の五輪史上で2番目に若い金メダリストはパリ五輪代表を射止めた、今年6月にハンガリーのブダペストで行われた五輪予選シリーズ最終戦の最終日を思い出していた。
「ブダペストの予選大会でも、このビッグスピンフリップボードスライドで逆転優勝できて、同じ技でオリンピックでも逆転優勝できてすごく嬉しいです」
 ボードを縦と横に同時に回してからレールを滑り降りる大技を、完璧に成功させた手応えと達成感が無意識のうちに誇らしげなガッツポーズを生み出した。100点満点中で「96.49」とベストトリックにおける最高得点を、肉体的にも精神的にも追いつめられた土壇場で叩き出した瞬間に、赤間を抜いて首位に躍り出た。
 スケートボードのストリートは、45秒間で技を自由に演技するランの2本のうちの最高得点と、一発技を競うベストトリック5本のうち上位2本の合計で最終的な順位を決める。日本人によるワンツーフィニッシュを確定させて迎えた5本目。再逆転を狙った赤間が大技を失敗した瞬間に、吉沢の金メダル獲得が決まった。
 それでもまったく表情を変えずに、最後の一人として5本目に挑んだ吉沢は、4本目に次ぐ高得点の「89.46」をマークして有終の美を飾った。最終的なスコアを「272.75」にまで伸ばし、赤間の「265.95」との差を広げた堂々たるフィナーレを、イギリスの公共放送『BBC』は次のように伝えている。
「日本のティーンエイジャー、ココ・ヨシザワがパリでのドラマチックな逆転劇の末に、スケートボードのストリートで金メダルを獲得した。この1年間で世界ランキングを急上昇させた14歳のココは最終的に272.75点をマークして、オリンピックデビュー戦で見事に表彰台の真ん中に立った。コンコルド広場に詰めかけた大観衆が歓喜の声をあげるなか、大技のトリックを決めたココが両手を高く突き上げた姿が印象的だった」
 予選の上位8人が臨んだ決勝。前半のランでトップに立ったのは、2本目で「89.26」を叩き出す会心の演技を披露した赤間だった。2位には吉沢が「86.80」で、さらに3位には東京五輪銅メダリストの中山楓奈(19、ムラサキスポーツ)が「79.77」で続き、日本勢による表彰台独占の夢を膨らませながら後半のベストトリックを迎えた。
 勢いに乗る赤間は、ベストトリックの1本目で「92.62」と高得点をマーク。吉沢や中山、さらに東京五輪銀メダリストのライッサ・レアウ(16、ブラジル)らにプレッシャーをかけた。ファイナリストたちが一発逆転を狙い、次々と大技に挑戦する白熱の攻防を、スケートボード大国の米『Yahoo Sports』はこう伝えた。

 

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