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パリ五輪男子バレーの日本対アルゼンチン戦で異常な抗議をした行為にレッドカードが示された(写真・ロイター/アフロ)
パリ五輪男子バレーの日本対アルゼンチン戦で異常な抗議をした行為にレッドカードが示された(写真・ロイター/アフロ)

「審判は日本びいきだったわけではない」パリ五輪男子バレーでアルゼンチンが「恥を知れ!」と激怒した“疑惑の判定”とレッドカード問題は本当に誤審だったのか?

 パリ五輪の男子バレーボールのグループCの戦いで日本がアルゼンチンを3-1で下したがアルゼンチンに示された異例のレッドカードと“疑惑の判定”を巡って波紋が広がっている。アルゼンチンメディアも審判の判定を批判し、物議を醸すスパイクを打ったアルゼンチンのアウトサイドヒッター、ファクンド・コンテ(34)はインスタグラムで「恥を知れ!」と怒りの声をあげた。本当に判定は“誤審”で、日本に1点を与えたレッドカードにも問題があったのか。元日本代表で現在は姫路獨協大学の女子バレーボール部コーチを務める山本隆弘氏に見解を聞いた。

 小野寺の指にかすっているように見えないわけではない

 

 “疑惑の判定”は、もはやパリ五輪のトレンドとなってしまっているが、男子バレーでも物議を醸す問題が起きた。日本対アルゼンチン戦の第2セット。日本が19-20と1点ビハインドで、高橋藍のサーブから始まった場面で、アルゼンチンは、コンテがライトからブロックタッチを狙ったスパイクを打ち込み、ボールはコートを大きく外れた。
 日本は石川祐希と小野寺太志の2枚ブロックで対抗していたが、主審はワンタッチがなく、スパイクアウトと判定した。だが、コンテは不満の声を上げて、アルゼンチンはVTR検証を求める「チャレンジ」を行使した。
 バレーの「チャレンジ」は、対象が「ブロックタッチ」「ネットファウル」「アンテナタッチ」など6つのプレーに限られていて、各セット2回ずつ認められている。
 検証に長い時間がかかったが、最初の判定通り「ワンタッチはなし」と判定され、日本は20-20の同点に追いついた。場内にもVTR映像が流れた。右側の石川は、手を広げず拳を握るグーブロックで、左側の小野寺の右手の人差し指にかすかにかすったように見えないわけではなかったが、明らかなタッチは確認できなかった。
 しかし、納得のいかないアルゼンチンの監督と、世界的セッターで主将のルシアノ・デセッコが猛抗議。会場は、大ブーイングに包まれ騒然となり、主審からは、イエローカードが示された。
 イエローカードにペナルティはないが、ここでアルゼンチンはタイムアウトをとった。
 30秒間のタイムアウトが解けると、デセッコがまた主審に抗議。主審は、今度はベンチを指差してアルゼンチンチームにレッドカードを与えた。バレーのレッドカードは、相手チームに1点が加算されるペナルティが付き、日本は連続得点で21-20と逆転に成功した。
 その後、同点に追いつかれるが、日本は第1セットに続き、このセットを25-22で競り勝った。日本は第3セットを失うが、第4セットを奪い、3-1で今大会初勝利。1勝1敗の勝ち点4でグループCの2位に浮上し決勝トーナメント進出に望みをつなげた。だが、一方の2敗目を喫したアルゼンチンは勝ち点ゼロでグループリーグ敗退が決定的となった。
 試合の流れを変えた“疑惑の判定”にアルゼンチンの地元メディアも「ありえない誤審」(オレ)、「審判の重大なミスに傷つけられた」(クライン)と報じるなど怒りの声をあげ、スパイクを打った当事者のコンテは、インスタのストーリーに問題のシーンを切り取った映像と共に、こう怒りの投稿をした。

 

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