全米メディアは大谷翔平の23、24号を含む7本塁打でも勝てないエ軍の不名誉記録を嘆く…NY紙は大谷をトレード放出しなかった戦略を批判
エンゼルスの大谷翔平(28)が4日(日本時間5日)、本拠地でのアスレチックス戦に「2番・DH」でスタメン出場し、23号、24号ソロを放ち今季5度目のマルチ本塁打を記録した。チームは大谷の2本を含む計7本塁打をマークしたが、すべてがソロアーチで7-8で競り負けた。7本塁打での敗戦は不名誉なメジャータイ記録。米メディアはエンゼルスのあまりの弱体ぶりを嘆き、ニューヨークポスト紙は大谷をトレード放出しなかったチームの強化戦略を批判した。
「大谷はダグアウトでハイタッチした以外に表情を変えなかった」
どこまで弱いのか。大谷の2本塁打どころかメジャーの1試合の最多ソロアーチ記録に並んだ7本塁打を放っても勝てない。
右前腕部のけいれんのため7回で退いた先発の翌日に「2番・DH」で出場した大谷は1回の第1打席でポール・ブラックバーンの94マイル(約151キロ)のストレートを捉えて逆方向に先制の23号ソロを放つと、7回にも二死から左腕のカービー・スニードがインローに投じたおそらく見送ればボールのスライダーを体を開きながらライトスタンドへ高々と引っ張り24号ソロ。この時点で6-8と2点差に迫り、9回には、電撃移籍してきたミッキー・モニアックがチーム7本目となる一発を放ったが、1点が及ばず7-8で敗れた。
米メディアも大谷の2本塁打とこの異例の敗戦に注目した。 地元紙のオレンジカウンティレジスターは「エンゼルスが新たな創造的な負け方を見つけ出した」と皮肉をこめて7本塁打の敗戦を嘆いた。
記事は、エンゼルスが1試合の最多本塁打の球団記録に並びながらも、敗戦でのメジャーの最多本塁打記録に並び、ソロ本塁打7本のメジャーリーグ記録、史上初のソロ本塁打7本以外の得点のなかったチームになったことを紹介。フィル・ネビン監督代行の「ソロ本塁打では勝てないといつも言われている。7本打てば勝てるかもしれないと思うが、我々は、結局うまくいかなかった」とのコメントを紹介した。
同じく地元紙のロサンゼルスタイムズは「大谷とエンゼルスが7本塁打の敗戦で怪しげな歴史を作る」との見出しを取り、こう伝えた。
「大谷が放つあらゆる本塁打は野球における優雅さがある。ボールが完璧に捉えられたとき、聞き覚えのある音が響き、ファンは席を立ち、息をのむ。打球は大歓声の中フェンスを越えていく。スターの大谷は23号、24号を放って、このシーンを2度演出し、カート・スズキ、テイラー・ウォード、ジョー・アデル、ジェレッド・ウォルシュ、モニアックの5人も本塁打を放った。だが、1試合の球団最多記録となった7本塁打でもアスレチックスを倒すには十分ではなかった」
同紙は大谷の2本塁打について、さらに詳細に記し、ベンチで笑わなかったことを指摘した。
「大谷は(1本目の本塁打で)ベースを速足で回りホームにたどり着くと軽く拳をたたいたが、ダグアウトでハイタッチした以外に表情を変えなかった。この際、本塁打を打った打者に祝福として与えられるカウボーイハットもなかった。大谷は、次の回は、スズキの本塁打に笑顔を見せた。カウボーイハットはベテラン捕手(のスズキ)の頭の上にかぶされた。大谷は7回にも2本目の本塁打を打った。カウボーイハットが用意されて彼への祝福は大きくなった」