「MLBは私がDHであることをMVP受賞のできない言い訳としていたのに…大谷は?」“ビッグパピ”オルティスが「45-45」大谷翔平のMVP獲得の可能性を暗に批判
ドジャースの大谷翔平(30)が6日(日本時間7日)、本拠地でのガーディアンズ戦に「1番・DH」で先発出場し、6回一死走者なしの場面で5試合ぶりの45号ソロを放ち、史上初の「45本塁打&45盗塁」を達成した。大谷は2日(日本時間3日)のダイヤモンドバックス戦で1試合3盗塁を決めて46盗塁に到達していた。3度目のMVP受賞の“大本命”とみられているが、過去にDH起用選手の受賞はなく論争が起きている。その中でDHが理由でMVPを獲得できなかった米野球殿堂入りしている“ビッグ・パピ”ことデビッド・オルティス(48)が大谷のMVP受賞に批判的な意見を発信した。
「大谷はMLBの最愛の人だ」
大谷の“史上初”の記録更新が続く。2点を追う6回走者無しの場面でガーディアンズの左腕ボイドが2球目に投じた甘いシンカーを見逃さない。高々と舞い上がった打球はバックスクリーン左に着弾。5試合ぶりの45号で記念すべき「45―45」超えの「45-46」を達成した。
残り21試合。「50―50」も視界に入ってくる中で、米ヤフースポーツが「大谷は、ほぼ神話的と感じられる本塁打とその盗塁を合わせた数字で(50―50の)偉業を達成するため、残り21試合で5本塁打と4盗塁を必要としている。彼が今のペースを維持すれば、51本塁打、53盗塁となり、もしそうなればMVPスピーチのリハーサルを始められそうだ」と報じるなど3度目のMVP受賞の最有力候補となっている。
ただ一方で過去にDHで、ほぼ1シーズンを過ごした選手のMVP受賞はなく「守備をしていない選手が獲得していいのか?」などの論争が起きている。
その中で注目発言をしたのが、DHゆえにMVPを獲得できなかった米殿堂入り選手のオルティスだ。ドミニカ共和国出身のMLBジャーナリストのヘクター・ゴメス記者がXにてミニインタービューの様子を投稿した。
「MLBはいつもMVPを私にくれない言い訳をしていた。それはおそらく僕が指名打者だったからだ。今年は彼らが何をするのかを見守るつもりだ。彼らがどこへ突っ走るのかを私は腰を落ち着けて待つつもりなんだ。大谷はMLBの『最愛の人』だからね」
オルティスは皮肉を交えて大谷がMVPを獲得することへ異論を唱えた。
この発言を記事化した米サイト「ボラビップ」は「オルティスが大谷のMVP受賞に強い警告を発信」という見出しで報じている。
「ビッグ・パピ」の愛称でファンに大人気だったオルティスは、3度のワールドシリーズ優勝に貢献したレッドソックス時代の2003年から2007年の間に5年連続でMVP投票の上位5位に入り、54本塁打、137打点で2冠に輝いた2006年には3位となったが、MVP獲得には至らなかった。この年はツインズのジャスティン・モルノーが受賞。一塁手として34本塁打、130打点、打率.321の成績で、一方のオルティスは「守備をしていないこと」が理由で記者の票を得ることができなかった。
オルティスは2016年に引退するまでキャリア通算2408試合で1768打点、メジャー史上17番目となる541本塁打をマークして、2022年に米殿堂入りの資格を得ると一発で選出された。だが、MVPを獲得できなかった過去を悔やんでおり、自分と同じくDHの大谷が、MVPを獲得することに批判的なのだ。