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佐々木朗希はソフトバンクに異例の連続スクイズを仕掛けられて3敗目。10三振を奪ったが約1か月半白星から遠ざかっている
佐々木朗希はソフトバンクに異例の連続スクイズを仕掛けられて3敗目。10三振を奪ったが約1か月半白星から遠ざかっている

“令和怪物潰し”?!なぜロッテ佐々木朗希はソフトバンク異例の連続スクイズを防げずに弱点を曝け出したのか?

千葉ロッテの佐々木朗希(20)が今シーズン初の連敗を喫した。10日にZOZOマリンスタジアムで行われたソフトバンク戦で先発した佐々木は、2回に柳田悠岐(33)の先制ソロから連続スクイズも決められ3点を献上。3回以降は立ち直り、5者連続を含めた計10三振を奪ったが、6回3失点で3敗目を喫した。終盤に追い上げるも届かなかったロッテは3-4で敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。

甲斐は3球連続でセーフティースクイズの構え

 令和の怪物潰しだった。

 先頭の主砲・柳田が豪快な15号ソロをライトスタンドへ叩き込み、防御率1点台の佐々木から先制点を奪った2回。一死後に6番・中村晃、7番・柳町達の連打で作った二、三塁のチャンスで、ソフトバンクの藤本博史監督が動いた。

 8番・川瀬晃が初球の真ん中に入ってきた159kmのストレートを空振りすると、スクイズを仕掛けた。フォークを正面に転がされた佐々木は慌ててダッシュしてグラブトスを試みるもボールは、そのグラブの下をスルー。犠打に自らのエラーがついて一死一、三塁とさらにピンチを広げ、甲斐にもスクイズがありえる状況を招いてしまった。

 藤本監督は徹底していた。

 9番・甲斐拓也にもカウント1-1から連続スクイズのサイン。甲斐は初球、2球目とセーフティースクイズの構えを見せて佐々木を揺さぶり、見送ればボールになる真ん中高目に浮いてきたストレートをグラウンドに右膝をつける体勢になりながらも執念で逆方向へ転がした。

 大技に小技を絡めての3点先取。報道によれば、センター方向から10mを超える逆風が吹く状況で、ただでさえ難攻不落の佐々木からヒットはおろか、外野への犠牲フライを放つのも難しいと判断した藤本監督は、試合後にこう語ったという。

「これだけ三振取れる投手やからね。何かやらないと点取れないと思って。見事2人が期待に応えてくれましたね」

   阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトでプレーし、パ・リーグの野球に精通する評論家の池田親興氏は、「課題と佐々木の持つポテンシャルを見せた6イニングだったと思う」と、佐々木の今シーズン15度目の先発を総括。特にこのスクイズの場面の問題をこう指摘した。

「スクイズの2失点に警戒心がなさ過ぎた」

 3年目の佐々木、高卒ルーキー松川の若いバッテリーだけでなく、ロッテの内野守備陣、ひいてはベンチワークに甘さがあったという。

「佐々木は川瀬の正面に転がってきたスクイズをグラブでスルーしてしまったが、打球に対するスタートが一歩遅れていた。“やってくる”という準備に欠けていたように思える。次打者の甲斐は3球続けてセーフティースクイズを仕掛けてきたのだから、ロッテのベンチも内野にもっと徹底したチャージを指示するなど、相手にプレッシャーをかけ、スクイズをやらせない、佐々木が攻めやすいシチュエーションを作るべきだったと思う。今後、他球団も佐々木の攻略に足やバントを絡めてくるだろうから、チームとしての対策を練る必要があるだろう」

 連続スクイズを仕掛けたソフトバンクの令和の怪物攻略法をおそらく他球団も真似てくるだろう。池田氏が指摘する対策がチームとして必要になってくる。

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