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初出場となったディビジョンシリーズのパドレス戦で2回に同点3ランを放った大谷翔平が吼える(写真:UPI/アフロ)
初出場となったディビジョンシリーズのパドレス戦で2回に同点3ランを放った大谷翔平が吼える(写真:UPI/アフロ)

「ショウヘイがチームに稲妻を注入した」ド軍の同僚マンシー、ヘルナンデスらがPS同点3ランデビューの大谷を絶賛…被弾のノーノー男は「誰がどう見ても…」完敗認める

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、本拠地で行われたパドレスとのディビジョンシリーズ第1戦に「1番・DH」で先発出場し、3点を追う2回に起死回生の同点3ランを放った。4回にも逆転を呼び込む中前打を放ち、メジャー7年目で初となるポストシーズンで5打数2安打3打点と躍動してチームは7-5で勝利した。先発の山本由伸(26)は3回を投げ5安打5失点だった。

 「球界トップクラスの」シースから打った同点3ランを「凄く特別だった」

 

 5万3028人で埋まったドジャースタジムの空気を一変させた。先発の山本が立ち上がりにマニー・マチャドの2ランなどで失った3点を追う2回。二死一、二塁で大谷に2打席目が回ってきた。場内はMVPコールだ。
 今季14勝11敗のパドレスの勝ち頭であるディラン・シースがカウント2-1からアウトコースの高めに投じた155キロのフォーシーム。フルスイングした速度111.8マイル(約179.9キロ)の打球は、ライトスタンドの最前列にギリギリで飛び込む同点3ランとなった。大谷は、打った瞬間にバットを思い切り激しく放り投げて、雄叫びをあげた。
「先制点を取られて、相手も球界の中でもトップクラスの素晴らしい投手。そういうピッチャーからああいうところで打てたのは自分としても凄く特別だった。なかなか投げ損じはない。変化球も素晴らしい中で、難しいボールだったが、それを打てたのは自分にとって凄く自信になる」
 ベンチを何度も煽りながらダイヤモンドを一周した。
 伏線は高めのフォーシームに押し込まれてレフトフライに倒れた第1打席にあった。初球の129キロのカーブを空振りしたが、反応できたことで、その一振りに「気持ちが楽になり落ち着けた」という。
 7年目にして初のポストシーズン。怪物の大谷でさえ緊張があったのだろう。
 だが、いつものように準備をして「勝手に集中した」というから前人未到の「54-59」を成し遂げた大谷はただものではない。
 ESPNによると、ポストシーズンのデビュー戦での本塁打は、1966年のブルックス・ロビンソン、2018年のジャンカルロ・スタントンに次ぐ史上3人目の快挙だという。
 この一打は、チームに魂を注入した。山本は3回にまた守備の乱れなどもあり2点を勝ち越されたが、5回にまた大谷のバットが逆転劇を呼び起こす。一死一、二塁で大谷を迎えるとパドレスは、シースから左腕のエイドリアン・モレホンにスイッチした。大谷は、フルカウントからの内角高めのシンカーに詰まらされ、珍しくバットを折ったが、打球はセンター前へ落ちた。満塁にチャンスを広げ、暴投で1点差、さらにテオスカー・ヘルナンデスの逆転のタイムリーが飛び出して6-5と一気にゲームをひっくり返したのだ。
 そして2点リードの9回。回跨ぎのストッパー、ブレーク・トライネンが二死一、二塁の一発が出れば逆転のピンチで、4番のマチャドを迎えたが、スライダーで空振りの三振。ベンチから飛び出した大谷はずっと右手の拳を握りしめていた。
 大谷は試合後の会見で「試合前から凄い球場の熱気を感じた。終始、ただただ楽しいゲームだった」と振り返った。

 

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