プロ2軍からの異例ドラフト…藤川阪神が狙う“桐敷2世”左腕の目黒宏也には5球団、“首位打者”知念大成には巨人と横浜DeNAが熱視線…オイシックスの“4人衆”は指名されるのか ?
プロ野球のドラフト会議がいよいよ明日24日に迫った。注目は今季からイースタンリーグに新規参入したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボールクラブの4人のドラフト候補だ。1軍を持たない特殊な運営形態のオイシックは、元NPB選手以外はドラフトを経由しなければ、NPB12球団への入団ができない。一番人気は5球団が調査票を出した最速150キロ左腕の目黒宏也(22)。藤川球児氏(44)を新監督に迎えた阪神が狙っている。
2軍で奪三振王となったサブマリン下川はヤクルトが念入り調査
プロ2軍からプロ1軍へ。今回のドラフトでは史上初めてNPB球団の所属選手を指名するという異例の出来事が起きるかもしれない。今季からイースタンリーグに新規参入したオイシックスと、ウエスタンリーグに新規加入したくふうハヤテの2球団から、ドラフト指名される選手が生まれる可能性があるのだ。
この2球団は今季から1軍を持たない特殊な形態でNPBに新規参入した。元NPB選手は、他のNPB球団への移籍は可能だが、そうではない選手はドラフトを経由しなければ他の12球団への入団ができないルールとなっている。
オイシックスの選手で調査票が届いているのは4人。 先発左腕として今季4勝7敗、防御率5.75だった目黒宏也(22)、“守護神”を務めてイースタンリーグのセーブ王に輝いた上村知輝(24)、同じく同リーグ奪三振王となったサブマリンの下川隼佑(24)、そして打率.323で同リーグ首位打者を獲得した知念大成(24)だ。
オイシックスは、2軍とはいえプロと対戦しているので、その実力は社会人や大学生、あるいは独立リーグなどに所属しているドラフト候補性よりも把握しやすいとされている。シーズン中にトレード調査するプロスカウトとアマスカウトの両方でダブルチェックできるのも指名する側からすればプラスだ。
この日、退団が発表された橋上秀樹・前監督も初年度のシーズンを戦った選手には思い入れがある。
「オイシックスが新規参入した理由は、もちろん勝つことで、ファンに喜んでもらい、地域への社会的貢献につなげたいというものがあるが、同時にNPBにドラフト指名されるような選手を送り出したい狙いがある。私は今年でチームを去ることになったが、そのつもりで1軍で通用する選手の育成という部分に力を入れてきた。今回のドラフトでオイシックス第1号のNPB入り選手が誕生してもらいたいし、私は4人全員がドラフトにかかる可能性があると見ている」
オイシックス4人衆の中で、最も指名の可能性が高いのが左腕の目黒だ。5球団から調査票が届き、特に熱心なのが、阪神と横浜DeNAだという。阪神が熱視線を送るのには理由がある。目黒は、今季43HPでセ・リーグの最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した桐敷拓馬と同じ新潟医療福祉大出身なのだ。
目黒が後輩だが、桐敷からアドバイスをもらったことがあり、その教えを胸にオイシックスに入団した今季に急成長。球速もアップして最速は9月14日の巨人戦でマークした150キロ。腕の出所が見にくく、プロでも、トップクラスの回転数を誇るスライダーを低めに集めることのできる安定感もある。