阪神を戦力外となった3人は新天地で覚醒できるのか…加治屋蓮が楽天、岩田将貴が横浜DeNA、遠藤成がオリックスへ移籍
阪神から戦力外通告を受けた加治屋蓮投手(32)が楽天、岩田将貴投手(26)が横浜DeNAと、それぞれ移籍に合意したことが16日、両球団から発表された。また遠藤成内野手(23)はオリックスの育成枠で契約を結ぶ方向で進んでいる。元阪神の3人は新天地で活躍することができるのか。
岩田は対左にワンポイント起用できる変則サイド左腕
元阪神の“戦力外の男たち”に再チャレンジの道が開けた。14日にZOZOマリンスタジアムで開催されたプロ野球12球団トライアウトに阪神の選手だけが1人も参加していなかったため、すでに他球団との契約が進んでいるという情報が飛び交っていたが、16日に加治屋が楽天、岩田が横浜DeNAと契約合意に達したことが発表された。
加治屋は、これが2度目の戦力外。JR九州から2013年のドラフト1位でソフトバンクに入団し、2018年には72試合に登板し31ホールド、防御率3.38の成績を残したが、肩を痛めるなどして2020年オフに戦力外通告を受けた。阪神に移籍し、昨年は春季キャンプから岡田監督に見初められ、勝利方程式の一人に抜擢。開幕から22試合連続無失点の球団記録をマークするなど、51試合に登板し、16ホールド、防御率2.56の成績でリーグ優勝、日本一に貢献した。しかし、今季は、前年度の疲労の蓄積の影響か、スピード、キレ、制球力共に若干の狂いが生じて序盤に救援失敗が続いた。ウェスタン・リーグでは、29試合に投げ、防御率0.68だったが、1軍では、石井、桐敷、ゲラ、岩崎の勝利方程式が、確立されていたこともあり、わずか13試合登板に留まり、10月1日に戦力外を通告された。三木新監督のもと戦力整備に乗り出している楽天の補強ポイントのひとつが中継ぎ強化で、ウイニングショットにスプリットを持ち、プロ通算222試合登板の豊富な経験と、ピンチにも動じぬメンタルを持つ加治屋がセットアッパー候補にピッタリ当てはまった。
阪神OBの評論家の一人は、「加治屋は昨年のようなキレがなく序盤に打ち込まれ、右腕は、石井、ゲラ、漆原、浜地らがいたため、割り込むチャンスがなくなり、推定6000万円という年俸とのアンバランスもあり戦力外となった。しかし結果的に今季は休めてピッチングを知っている選手なので来季復活する可能性は高い。元々ソフトバンクにいてパ・リーグの野球もわかっている。楽天はいいところに目をつけたと思う」という見方をしている。
岩田は、九州産大から2020年の育成ドラフト1位で阪神に入団した、巨人の高梨のような変則サイドの左腕。2022年7月16日に支配下選手登録され、プロ4年目の今季も2軍で46試合に登板し、1勝2敗、防御率2.11の成績を収めたが、4年間で1軍登板は一度もなく、このオフに戦力外となった。