大谷翔平は2年連続で米球宴に選出されるのか?
もしもテレビの瞬間視聴率のようなデータが、オールスターのファン投票でも公開されたとしたら、エンゼルスの大谷翔平(27)が2本の3ランなどで8打点を挙げた21日(日本時間22日)のロイヤルズ戦、8回まで2安打無失点に抑え13三振を奪った22日(日本時間23日)の同カードは、凄まじい跳ね上がり方をしたのではないか。この2日間の活躍に加えて、大谷は25日(日本時間26日)のマリナーズ戦でも3試合ぶりの16号同点アーチを放ち、2年連続となるオールスター出場の可能性をグイっと引き寄せた。
第1回中間発表ではDH部門アルバレスに次いで2位
空気も変わった。22日の登板後の囲み会見では、オールスター出場に関してダイレクトに聞かれている。
「オールスターで投げる、あるいは、ホームランダービー出場に興味は?」 今年初めての質問だったが、その質問に違和感はなかった。大谷自身も、抵抗なくこう答えている。
「選ばれないと出られないですし、オールスターまでは、選ばれるように頑張るしかないので、選ばれたら選ばれたでまた考えたいなと思っています」 実際、大谷のオールスター選出の可能性はどうなのか。
米大リーグ機構は21日、オールスターのファン投票の第1回中間発表を行った。大谷は55万5056票で、ア・リーグ指名打者部門の2位。1位は、ヨルダン・アルバレス(アストロズ)の83万5669票。
【ア・リーグ指名打者部門】
1. ヨルダン・アルバレス(アストロズ) 83万5669票 2. 大谷翔平(エンゼルス) 55万5056票 3. J.D.マルチネス(レッドソックス) 30万7706票 4. ダニ・ジャンセン(ブルージェイズ) 29万7484票 5. ミゲル・カブレラ(タイガース) 24万8312票 アルバレスは、中間結果が発表された当日、OPSが1.037でメジャー全体のトップ。19本塁打(4位)、打率.312(11位)、出塁率.405(3位)、49打点(7位)とすべてにおいて非凡で、妥当な結果か。※ カッコ内はリーグ内の順位
一方の大谷は、むしろ予想を上回った。2位にはおそらく、6月に入って打率が下降しているものの、5月に.406と打ちまくったJ.D.マルチネスが、熱狂的なレッドソックスファンの支持を受けて入ってくるのでは、と想定されていたのである。大谷の2位には、昨年の余勢を駆って、という側面も否定できなかった。
数字的にも微妙。ファン投票が始まった8日の時点で、大谷の成績は打率.242、11本塁打、OPSは.765まで下がっていた。投手としては9試合に先発し、3勝4敗、防御率3.99。47回1/3を投げて65三振はさすがだが、44安打、21失点で、被本塁打が8本。厳しい数字が並んだ。折しもチームは14連敗中。その間、打者としては47打数9安打、打率.192、2本塁打、4打点、OPS.716。投手では、2試合に先発し、0勝2敗。9回を投げて、14安打、9失点。防御率は9.00。これでもしファン投票で1位にでもなっていたら、陰でなんと言われたか。いや、炎上をウリにしているメディアは、嬉々として批判したのではないか。