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9年9か月ぶり代表復帰の宮市亮はスピードを見せつけたが若手主体の中国から得点を奪えなかった(写真・アフロスポーツ)
9年9か月ぶり代表復帰の宮市亮はスピードを見せつけたが若手主体の中国から得点を奪えなかった(写真・アフロスポーツ)

「選手任せ」森保采配で若手主体の中国にショッキングな”収穫無き”スコアレスドロー…寂しい観客席が追い打ち

生中継した地上波のテレビは、ファン・サポーターが発する大声援をよく拾っていた。しかし、実際に豊田スタジアムへ足を運んだのは1万526人だった。

 日本サッカー協会(JFA)は今大会で、観客数の上限をスタジアムの収容人員の50%に設定した上で、両ゴール裏などに「声出し応援エリア」を設置している。

 豊田スタジアムの収容人員は約4万5000人なので、中国戦の上限は約2万2500人。声を出せる環境にありながら、50%にも到達しなかった計算になる。

 連休明けの平日夜に行われた、香港戦の観客数が4980人だった件が少なからず波紋を広げた。鹿島アントラーズの小泉文明代表取締役社長は自身のツイッター(@koizumi)で来場者へ感謝した上で、サッカー界全体へ警鐘を鳴らしている。

「カシマだから、火曜だから、香港が相手だからと言い訳せずに協会やリーグと今の代表人気を考えないとサッカー人気の停滞は本当に危機感しかないですね」

 中国戦は日曜夜の開催だったが、それでもスタンドは満席にはほど遠かった。海外組が参加していない過去のE-1選手権で比較すれば、ハリルジャパンが臨んだ2017年大会の初戦、12月9日の北朝鮮戦が土曜夜の開催であり、試合会場となった味の素スタジアムには2万806人のファン・サポーターが駆けつけている。

 この日は日本ツアーを行っているフランス・リーグアンの強豪、パリ・サンジェルマンの公開練習がパナソニックスタジアム吹田で行われ、1万7916人ものファンが詰めかけている。一般4500円、小中高生2000円と有料だったにもかかわらず、だ。

 すでに2試合の日本ツアーを勝利で終えたパリ・サンジェルマンは、20日の川崎フロンターレ戦で改修後の国立競技場で最多となる6万4922人を集客。23日の浦和レッズ戦でも埼玉スタジアムに6万1175人の大観衆を集めている。

 4年に一度のビッグイベント、カタールワールドカップ開幕をわずか4ヵ月後に控えた段階で突きつけられた、これらの数字の違いがいったい何を意味しているのか。鹿島の小泉社長が指摘したように、サッカー離れではなく日本代表離れが、特に森保ジャパンになってからの4年弱の間に急スピードで進んでいる証に他ならない。

 パリ・サンジェルマンにはフランス代表キリアン・エムバペ(23)、ブラジル代表ネイマール(30)、アルゼンチン代表リオネル・メッシ(35)の世界最強FWトリオがいる。彼らが放つ圧倒的かつ眩い存在感がファンを引きつけているのは明白だが、それでも日本代表はひとつのブランドとして1990年代からサッカー界をけん引してきた。

 E-1選手権の価値そのものにも問題があるだろう。しかし、根本にはサッカーに魅力があるかどうかに集約される。ヨーロッパ組がそろった陣容で4試合を戦った先の6月シリーズでも、スタジアムが満員になったのはブラジル代表戦だけだった。もちろん大半のお目当てがスーパースター軍団だったのは言うまでもない。

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