9年9か月ぶり代表復帰の宮市亮はスピードを見せつけたが若手主体の中国から得点を奪えなかった(写真・アフロスポーツ)
「選手任せ」森保采配で若手主体の中国にショッキングな”収穫無き”スコアレスドロー…寂しい観客席が追い打ち
迎えた今大会。ヨーロッパ組を招集できない状況で、代表の現在地に対して非情な現実を突きつけられた。勝ち点3を手にできなかった責任を一身に背負うかのように、細谷はフラッシュインタビューで努めて前を向くように自らに言い聞かせた。
「次の韓国戦でぶつけたいと思います」
もちろん細谷だけの責任ではない。何がなんでもゴールを、勝利を、という執念のような雰囲気が、ピッチ上からなかなか伝わってこなかった。しかし、これまでも采配を通じて何度も不安をのぞかせてきた指揮官は、人ごとのように話すだけだった。
「どれだけ頑張っても結果につながるかどうかは、選手たちにもわれわれにもわかりません。勝てなかったという悔しさは、次の韓国戦に向けてパワーに変えてほしい」
27日の韓国戦で勝てば4大会ぶり2度目の優勝が決まり、引き分け以下ならば目の前で4連覇を達成される。ただ、ホームで開催される韓国戦は、大会前に指揮官が掲げた優勝という目標を達成できるかどうか、の問題だけではなくなった。代表離れをほんの少しでも食い止められるのか、それともさらに突き落とされるかの分水嶺となる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)