横浜DeNAの三浦監督と阪神の矢野監督がCS前日会見で抱負を語った(写真・黒田史夫)
横浜DeNAの三浦監督と阪神の矢野監督がCS前日会見で抱負を語った(写真・黒田史夫)

どうなるセのCS?!阪神の8年ぶり“下克上“はあるのか?

楽天、巨人、西武で“参謀”を務め、現在は新潟アルビレックスBC監督である橋上秀樹氏も、こんな意見を持つ。
「ベイファンの熱い応援に加え、横浜DeNAは先に点を取って強力な勝利方程式で逃げきるパターンがあり、また接戦での後攻めの有利さもあって、今季ハマスタでは圧倒的な強さを見せた。だが、守備に不安を抱える阪神にとって、人工芝のハマスタはミスが起こる可能性が下がるのでプラスだ。また昨年まで8年連続で阪神が横浜DeNAに勝ち越していたのは広い甲子園から狭いハマスタにきて、選手のバッティングイメージが変わるという側面もあった。阪神がハマスタで不利になるというわけではない」
 この日の会見では、今日8日の第1戦の予告先発が発表された。横浜DeNAが今永、阪神が青柳の両エースである。
 今永は今季防御率2.26、11勝4敗で対阪神戦の成績は4試合、防御率3.46、2勝2敗。9回2失点完投した8月9日、青柳と投げ合った6回無失点の8月23日と直近2試合は連勝中だ。
 三浦監督は直接対決で敗れたことでヤクルトの優勝が目の前で決まった9月25日の神宮での先発が今永だったことに触れ「悔しい思いをしたと思う。リベンジするためにも重要な第1戦を託した」と説明した。
 一方、防御率(2.05)、最多勝(13勝4敗)、最高勝率(.765)の投手3冠を獲得した青柳の対横浜DeNA戦の今季成績は6試合に先発、3勝1敗で防御率3.18。5球団の中で最も防御率が悪い。シーズン中盤までに3勝したが、8月23日に横浜DeNAが宮崎をスタメンから外し、打線に桑原、牧以外はズラっと左を並べられて5回3失点と攻略され敗戦投手。9月20日も6回に4番の牧に勝ち越しタイムリーを打たれて降板して勝ち負けがつかなかった。青柳にとって流れがいいとは言えない。
 CSのファーストステージにおいて初戦の勝ち負けは大きな影響を及ぼす。過去14回のCSのファーストステージで初戦の敗戦から連勝で逆転したケースは、2017年の横浜DeNA、2009年の中日の2度しかない。初戦勝利のファーストステージ突破確率は実に86%だ。
 三浦監督は「まず先制点が大きなポイント。そこを意識しながら戦っていきたい」と言った。
 CSファーストステージの初戦で先取点を取ったチームの勝敗を調べてみた。過去14回で先取点を取りながらも逆転負けを喫したケースは5回。64%の確率で先取点を取ったチームが勝っているのだ。当たり前と言えば当たり前のデータだが、三浦監督が先制点へこだわる戦術は正しい。そこを意識してか、自軍のキーマンには、会見に出席した今季の最多安打タイトルホルダーの佐野と共に1番打者の桑原の名前を挙げた。
「桑原がどれだけ塁に出て勢いをつけられるか」
 一方の矢野監督も自軍のキーマンを聞かれ、隣にいた近本と共に同じく1番打者である中野を指名した。
「足を使えるチームなんで中野が出た後に近本からのクリーンナップにつながるのは相手にとっては嫌」
 今永の立ち上がりに機動力を絡めて、近本、大山、原口と続くクリーンナップにつなげるには、中野の出塁が肝になる。しかも中野は、左対左となる今永に今季打率.444と相性がいい。

 

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