どうなるパのCS?西武を迎え撃つソフトバンクは”最終戦V逸ショック”を払拭できるのか…千賀vs山川が勝敗ポイント
パ・リーグのクライマックスシリーズ(以下CS)ファーストステージが今日8日に開幕。レギュラーシーズン2位のソフトバンクが同3位の西武を迎え撃つ。7日にはPayPayドームで前日会見が行われ、ソフトバンクの藤本博史監督(58)と今宮健太選手会長(31)、西武の辻発彦監督(63)と源田壮亮キャプテン(29)が出席して、それぞれが抱負を語った。王者オリックスが待つファイナルステージへ進むのはソフトバンクか西武か。ファーストステージを展望した。
藤本監督「千賀で1勝をとりたい」辻監督「6年目にして戦える投手陣」
前日会見のひな壇でわざわざ発表するまでもなかった。勝者がファイナルステージ進出へ王手をかける大事な初戦を託す予告先発。ソフトバンクはリーグ3位タイの11勝をあげた千賀滉大(29)が、西武は同2位の12勝をあげた高橋光成(25)と両軍の勝ち頭がマウンドに立つ。
「一番信頼できるウチのエースなので、千賀でまず1戦目を取りたい」
1.94の防御率とともに、球団史上5人目の7年連続2桁勝利をあげた千賀へ全幅の信頼を寄せたソフトバンクの藤本監督に負けじと、西武の辻監督もキャリアハイの成績を残した高橋を称賛した。
「シーズン序盤はちょっと苦戦しましたけど、中盤から終盤にかけて本当にエースと呼べる選手になってきた。我がチームで一番信頼できる投手なので、必ず本領を発揮してくれると思います」
2人はレギュラーシーズンで一度だけ、4月8日の1回戦(ベルーナドーム)で投げ合っている。このときは7回を被安打わずか3本、1失点に抑え込む力投を演じた千賀が、4回に5番打者以下に4連打を浴びるなど、6回を5失点と崩れた高橋に投げ勝った。
あれからちょうど半年。舞台をPayPayドームに変えて再び対峙する両エースは、レギュラーシーズンの最終登板を対照的な形で終えている。
高橋の最終登板は9月27日のソフトバンク戦(ベルーナドーム)で、7回をデスパイネ(36)に喫したソロ本塁打による1失点に抑える力投で12勝目をあげた。一夜明けた28日の楽天戦(楽天生命パーク)を今井達也(24)の8回無失点の快投で制した西武は、試合がなかった翌29日に3位を争っていた楽天が敗れたため、3年ぶりとなるCS進出を決めた。
昨シーズンの西武は本拠地を埼玉県所沢市へ移した1979年以来、実に42年ぶりに最下位に沈む屈辱を味わった。わずか1年でCSを戦えるまでに立て直した要因を、辻監督は西武を率いてきた6年間を振り返りながらこう語っている。
「6年目にして戦える投手陣ができてきた、という気でいます。キーマンは投手陣全員です」
辻監督のもとで達成した2018、19年の連覇は「山賊打線」と命名された猛打が原動力になった。チーム打率と打点がともにリーグ1位、チーム本塁打が同2位だったのに対して、チーム防御率はいずれも最下位。昨シーズンの防御率3.94もリーグワーストだった。
一転して今シーズンの防御率2.75はリーグトップ。ソフトバンクの3.07だけでなく連覇を達成したオリックスの2.84をも上回り、被本塁打は昨シーズンの「117」から「81」へ、与四球は「597」から「436」へ、総失点は「589」から「448」へ劇的に改善された。
リーグ4位の防御率2.20をマークした高橋を軸に今井、松本航と辻監督が辛抱を重ねながら先発で起用してきたドラフト1位トリオの存在も大きい。しかし、今シーズンの西武を語る上で見逃せないのは、リーグ断トツの救援防御率2.31をマークしたブルペン陣の盤石ぶりだ。