どうなるパのCS?西武を迎え撃つソフトバンクは”最終戦V逸ショック”を払拭できるのか…千賀vs山川が勝敗ポイント
指揮官が言及した「失うものはない」が、下克上を目指す西武の合言葉になる。オリックス、ソフトバンクと優勝争いを演じながら、勝負どころの9月に入って失速。一時は楽天にも抜かれて4位に後退していただけに、選手と首脳陣の全員が挑戦者の気概を持ち合わせている。
最下位でシーズンを終えた昨年といま現在とを比べた源田は、笑顔を浮かべながら「この時期に野球ができるありがたみを感じています」と自然体で臨むと強調した。
「本当にチーム一丸となって、バッターは1球でも多く粘る、守備は27個のアウトをみんなで必死に取る、というのを全力でやりたい。明るく伸び伸びとライオンズらしい野球ができれば」
レギュラーシーズンの幕切れやチーム全体の心理状態を比較すれば、プレッシャーがかかるのはソフトバンクの方かもしれない。だからこそ初戦を託す絶対的なエースの千賀には、西武を勝ちパターンに乗せないためにも、先に失点しないピッチングが求められる。
カギを握るのは41本塁打、90打点で二冠に輝いた山川との勝負になるだろう。
今シーズンの西武打線でただ一人、気を吐いた感のある主砲を「要警戒選手ですね」と位置づけた藤本監督に、山川と同じ1991年生まれの今宮も危機感を共有した。
「山川が打っているとチームがめちゃくちゃ勢いに乗る、というイメージがすごくあるので、チーム全員でそこを止められるように頑張っていきたい。相手にはいいピッチャーが本当に大勢いるし、簡単には点を取れないと思うので、泥臭い1点というテーマでもいいかなと。必死に1点を積み重ねていって、悔しさをぶつけるCSにする。その一択です」
レギュラーシーズンの最終戦のように、ファーストステージ初戦はロースコアの接戦になる可能性が高い。だからこそ、西武の得点源である山川の打席の結果は、そのまま試合の行方を左右する。リードを奪えば、西武は惜しげもなく勝ちパターンの救援陣をつぎ込んでくる。オールスター明けの初戦で山川に30号を浴び、負け投手になった千賀にとってもリベンジの舞台になる。
第2戦の先発は、ソフトバンクが西武相手にノーヒットノーランを達成した東浜巨(32)が、西武は後半戦に復活した今井が予想される。ともに好投手が控えているからこそ、ファイナルステージ進出へ向けて両チームの明暗を大きく分ける初戦は14時にプレーボールを迎える。
(文責・藤江直人/スポーツライター)