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監督解任に踏み切ったジュビロ磐田の次期監督候補に“ゴン”中山雅史コーチの名前も浮上(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
監督解任に踏み切ったジュビロ磐田の次期監督候補に“ゴン”中山雅史コーチの名前も浮上(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

どうなる?!ジュビロ磐田の次期監督問題…”ゴン”中山雅史氏はこのタイミングで監督就任すべきではないのか?

 現役時代は「ゴン」の愛称とともに、磐田および日本代表で活躍。前者でJ1歴代4位となる通算157ゴールを、後者ではワールドカップにおける日本代表の初ゴールを含めた通算21ゴールを決めている中山氏は、Jクラブの監督を務める上で必要な公認S級コーチライセンスを、すでに2020年3月に取得している。

 磐田から移った札幌を退団し、活躍の場をピッチの外へ移そうとしていた2013年2月に、イベントに登壇した中山氏は監督業への興味を問う質問にこう答えている。

「自分の自信と情熱次第ですが、チャンスがあれば。ただ、まだライセンスを持っていないので、取得することが先決ですけど、それもひとつの道だと思っています」

 S級ライセンスを取得したいま、監督就任への支障はなくなった。中山氏が持つカリスマ性と老若男女に幅広く愛された明るく前向きなキャラクターは、リーグ戦で不振が続いた影響で精彩を欠く磐田をメンタル面でも、もりたてるだろう。

 実際、磐田のファン・サポーターのほとんどが、古巣で采配を振るう「中山監督」の姿を長く待ち望んできた。しかし、苦境に陥っている今シーズンの途中で監督業をスタートさせることに対しては、ネット上などで異論や反論が飛び交っている。

 誰が監督を務めても、いま現在の磐田では極めて難しい舵取りを迫られる。トップチームを指導してまだ2年目の中山氏の場合は、なおさらで、もし最悪の結果に終わった場合、指導者としての可能性を狭める事態に直面しかねない。ましてや夏場に十分な補強ができなかった磐田は、最下位に沈む現有戦力で戦っていかなければいけない。

 3度のリーグ優勝を達成するなど、1990年代の終わりから2002年にかけて訪れた磐田の黄金時代を担った主軸のなかで、中山氏はクラブとして最も大事にしなければいけない存在だ。ゆえに監督を託すのならば、キャンプなどを通じて十分な準備時間が確保できるシーズン頭からにするべきだという声が大勢を占めるのも無理はない。

 しかし、伊藤監督の解任に踏み切った以上は、後任の選定が急務となる。金曜夜に1試合だけ行われる名古屋との次節が19日に迫っている。15日をオフにあてた磐田は16日、一般には非公開の形で練習を再開させる。名古屋戦へ、そしてJ1残留へ。チーム作りで一貫性を欠いた末に、自ら迷走状態に陥った磐田に残された時間は少ない。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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