• HOME
  • 記事
  • 野球
  • なぜ中日は横浜DeNAに勝てないのか…3タテ食らい今季対戦成績3勝15敗1分け…チーム借金「13」のほとんどがベイ
中日が横浜DeNAに同一カード3連敗。今季の対戦成績が3勝15敗1分けとなり立浪監督の苦悩が続く(資料写真・黒田史夫)
中日が横浜DeNAに同一カード3連敗。今季の対戦成績が3勝15敗1分けとなり立浪監督の苦悩が続く(資料写真・黒田史夫)

なぜ中日は横浜DeNAに勝てないのか…3タテ食らい今季対戦成績3勝15敗1分け…チーム借金「13」のほとんどがベイ

 この日、連敗を食い止めたい立浪監督は打線を入れ替えて臨んだ。岡林―大島の好調の2人に1、2番コンビを組ませ、3番にシーズン途中に契約したレビーラを初抜擢。ビシエドとのキューバコンビでクリーンアップを形成した。だが、その外国人2人がブレーキになった。

 立ち上がりに一死二塁の先制機を作るも、レビーラがロメロが外角のボールゾーンに投じたカットボールに手を出して三球三振。ビシエドも初球のツーシームをスイングしたが詰まらされてショートゴロ。  3回も二死から大島が三塁線を破る二塁打で出塁するも、レビーラは高めのボールの釣り球を振って三振。6回もヤクルトの村上を首位打者争いで猛追する大島が先頭打者としてセンター前ヒットで出塁、続くレビーラはファウルで粘ったが、5-4-3の最悪の併殺打。試合後、立浪監督は、2軍調整を示唆した。

 試合前に波留、森野コーチが付きっきりで打撃指導した4番のビシエドも4タコで23打席連続ノーヒットの大不振である。

「1本が出ないので、おそらく立浪監督は、岡林―大島の2人で一、三塁の形を作り、ヒットなしで得点するパターンを狙ったのだと思う。苦肉の策だ。レビーラには日本の野球への慣れが必要だと思う。今はトップの位置にバットが収まらない。常に体が動いてボールを待つので見極めができずボールゾーンに手が出てしまう。ビシエドはずっと指摘されている上体の突っ込みが治らない。インサイドを攻めておけばまず打たれない。変化球が失投となってタイミングが合うことだけを避けるだけでいいのだから楽だ」と高代氏。

 立浪監督の采配も目の前の1勝ではなく来季を見据えたものに切り替わっている。3点を追う5回一死二塁で、投手の上田に代打を送らず、そのまま打席に立たせてバントさせたのである。

 高代氏は「優勝がかかっていたら代打でしょう。でも、今は目先の1勝より、来年を見据えて若い投手に5回、6回、7回というイニングを体験させることの意義が大きいと考え、そちらを優先させた。チーム方針を明確に出しているのだから采配としてはわかる」と理解を示した。

 点が取れないのであれば守り勝つしかないが、名古屋の”強豪”享栄高から育成ドラフト2位で入団し2年目の左腕上田には荷が重たかった。

 ストレートは、最速140キロしか出ないが、カットボール、チェンジアップをコントロールする小気味のいいピッチングで打者一巡は、抑えたが、3回に一死二塁から桑原に手痛い一発を浴びた。

 高代氏は、「甘いカットボールに桑原が思い切り踏み込んできていた。やはりインサイドを意識させるボールが少ない。立浪監督は、そのあたりを洗い直してキャッチャーにベテランの大野奨を使ったのだろう。実際、大野奨はインサイドをかなり要求してはいたが、いかんせん上田はストレートにまだスピードが足りない。コントロールと変化球はいいが、こういう投手は3巡目にはつかまるのだ」と分析した。  今季は、横浜DeNAには、小笠原、高橋宏の裏ローテーがあたり、大野雄、柳の表ローテーがぶつからない。大野雄は1試合、柳にいたっては登板がない。そういう巡り合わせも影響しているのだろう。

 だが、まだ残り6試合ある。今月27日からはハマスタで4連戦。来季のことを考えても苦手意識を残したままシーズンを終えたくはない。最下位だが、3位の阪神とのゲーム差は「6.5」。まだCS出場をあきらめる段階にはない。

「4番を打つバッターが見つからないのだからポイントゲッターの大島をどう使うか。あとは、どう守り勝つか。ひとつひとつ勝ち星を積み重ねて可能性を高めるしかない。ただ現場は来季へ気持ちが行っていると思う。石川の怪我が誤算だったのかもしれないが、来季は4番を任すことができる大砲の外国人を補強することがチームの最優先課題になってくるのでは?」

 高代氏は、そう問題提起した。現場だけでなく、このオフのフロントの動きが重要になってくる。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)

関連記事一覧