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元俳優の高岡が格闘家デビューを白星で飾った。試合後にはリング上でラウンドガールをお姫様だっこするサービス(写真・有田徹)
元俳優の高岡が格闘家デビューを白星で飾った。試合後にはリング上でラウンドガールをお姫様だっこするサービス(写真・有田徹)

なぜ元俳優の高岡蒼佑は白星で格闘家デビューを飾れたのか…「ゼロになっても立ち上がればいい」…今後とその実力は?

元俳優の高岡蒼佑(40)が12日、大阪・堺市産業振興センターで行われた格闘技イベント「競拳21」で格闘家デビューし初陣を判定勝利で飾った。「高岡蒼佑 不死鳥伝説 第一章」と銘打たれたメインカードにコーンロウヘアーで登場すると、2分×3ラウンド、65キロ契約のキックボクシングルールで、ユーチューバー集団「フォーカード」の一員で地元大阪でホストをしているトミー(25)と対戦。途中、ダウンを奪い、3―0の判定勝ちを収めた。なぜ俳優業を辞めた高岡は、格闘家デビューしたのか。そして、その実力は? 試合後、高岡は、今後も格闘家を続ける意向を明かした。

俳優仲間だった市原隼人、小栗旬らからお祝いの花

 華やかな舞台から遠ざかっていた高岡が久々に主役を演じた。新たな舞台は銀幕の世界ではなくシナリオのない格闘技。泥臭く、くたくたになりながらも何とか判定で勝利をつかんだ。

 リング上でマイクを渡されると「すみません」と頭を下げ、終始、険しい表情で、こうデビュー戦を振り返った。

「メインに持っていってくださって、感謝しています。練習とは違って、体力が全然ないと感じましたし、現実は甘くなかった。それでも、なんで、この試合をやろうと思ったかというと僕みたいな、たくさん失敗したと見られている人間でも地の底から這い上がれるんだというところを見せたかった。勇気づけられたらと思ったからです」

 会場は約1000人の観客で埋まっていた。高岡がメインカードに登場すると、ほとんどの人がスマホを構え、入場を出迎えた。その半数が女性客だ。リングサイドには元WBC、WBA世界スーパーフライ級王者の渡辺二郎氏、元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎氏、元2階級制覇王者の井岡弘樹氏、元WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守氏ら関西在住の歴代ボクシング世界王者が招待されていた。さらに俳優仲間だった市原隼人、小栗旬らからお祝いの花が届けられ華やかな雰囲気を演出した。

 しかし、格闘技のリングという名の初舞台は甘くなかった。裸ではなく黒のスポーツ姿で、髪の毛をコーンロウに編み込み、市原隼人から送られた「志」の文字を刺しゅうした黒のトランクスをまとった高岡は、1ラウンドのゴングと同時にコーナーを飛び出し、時計回りにフットワークを使ったが、その動きはぎこちない。右の前蹴りはことごとく空を切り、パンチの踏み込みも浅い。このラウンドの中盤には、キックを出そうとした瞬間に自らバランスを崩し、転倒する場面もあり、会場の一部からは失笑も漏れた。

「練習では気持ちよく蹴らしてもらっていたし、試合に向け1カ月半、自分ではここまで仕上がるか、と思っていたんですが、甘くなかった。練習はカラオケのようにすべてを用意してもらって気持ちよく歌うようなもの。実戦は全然違う」

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