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川崎フロンターレがサガン鳥栖に快勝で暫定首位浮上。ベテランFW家長昭博が存在感を示す(資料写真・アフロスポーツ)
川崎フロンターレがサガン鳥栖に快勝で暫定首位浮上。ベテランFW家長昭博が存在感を示す(資料写真・アフロスポーツ)

なぜ川崎は3か月ぶりに暫定首位に浮上することができたのか…残り9試合でV3達成の可能性は?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で未消化だった、明治安田生命J1リーグ第20節の1試合が31日に行われ、川崎フロンターレが4-0でサガン鳥栖に快勝。横浜F・マリノスを抜いて、暫定ながら約3ヵ月ぶりに首位に浮上した。ホームの等々力陸上競技場に鳥栖を迎えた川崎は前半26分にFW知念慶(27)のゴールで先制し、後半にも3点を追加した。鹿島アントラーズに続く史上2チーム目の3連覇へ。残り9試合でのヤマ場やキープレーヤーを追った。

今季2度目の4連勝も「試合数の違いで首位に立っているだけ」

 一時は順位を6位にまで下げ、勝ち点ではマリノスに11ポイントもの大差をつけられていた川崎が、今シーズン2度目の4連勝をマーク。暫定ながら首位に浮上した。

 コロナ禍に見舞われた鳥栖が活動停止となった影響で、本来ならば7月6日に行われる予定だった一戦を4-0の圧勝で制した余韻が色濃く残る公式会見。マリノスを勝ち点わずか1ポイント差で上回り、5月21日の第14節以来、約3ヵ月ぶりに目指すべき場所に戻った川崎の鬼木達監督(48)が偽らざる思いを明かした。

「試合数の違いで首位に立っているだけということなので、首位とは思っていません。ただ、常に首位を目指して戦っているチームなので、試合数のところを気にしなくていいのであれば、自分たちが望んでいるところに立っています」

 キックオフ前の時点でマリノスが勝ち点48で首位に立ち、勝ち点1ポイント差でサンフレッチェ広島が2位に、さらに1ポイント差で川崎が3位につけていた。上位勢で未消化試合が組まれていたのは川崎だけ。勝てば自動的に首位に浮上する鳥栖との一戦を前半26分に動かしたのは、FW家長昭博(36)の圧巻のテクニックだった。

 自陣からの鳥栖の縦パスがずれ、右サイドバックの山根視来(28)の真正面へ転がってきた。カタールワールドカップを控える森保ジャパンに名を連ねる山根は、すかさずワンタッチパスで攻守をひっくり返す。ターゲットは前方にいた家長だった。

 マークしようと慌てて戻ってきた鳥栖のボランチ、小泉慶(27)を家長は緩急で翻弄。隙を突いて一気に縦へ抜け出すと、利き足とは逆の右足を一閃する。ニアサイドへ放たれた絶妙のクロスは、飛び込んできた知念の頭とピンポイントで一致した。

 6月18日の北海道コンサドーレ札幌戦以来となる先発で、4月6日のジュビロ磐田戦以来となる今シーズン4点目を決めた知念が声を弾ませた。

「久しぶりのスタメンだったので、ベストを尽くそうと思っていた。アキさん(家長)からいいボールが来て、いい入り方ができました」

 後半開始早々の2分に、右コーナーキックからMFジョアン・シミッチ(29)が今シーズン初ゴールを頭でゲット。11分には自陣からのカウンターでFWマルシーニョ(27)が一気に縦へ抜け出し、ペナルティーエリアの外へ出ていた鳥栖の守護神、朴一圭(32)の頭上を越す芸術的なループシュートを流し込んで勝負を決めた。

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