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陸上日本選手権の男子1万mで相澤晃(写真右・旭化成)が優勝したが世界陸上の参加標準記録に届かず、期待されていた田澤廉(写真左・駒大)は10位の沈み、ここで代表内定を決めれなかった( 写真:長田洋平/アフロスポーツ
陸上日本選手権の男子1万mで相澤晃(写真右・旭化成)が優勝したが世界陸上の参加標準記録に届かず、期待されていた田澤廉(写真左・駒大)は10位の沈み、ここで代表内定を決めれなかった( 写真:長田洋平/アフロスポーツ

なぜ日本選手権男子1万mで箱根駅伝を沸かせた”日本長距離界ホープ”らはオレゴン世界陸上の代表内定に届かなかったのか

日本選手権の前まではオレゴン世界選手権の代表争いは田澤が有利につけていた。しかし、今回の結果を踏まえて立場が“逆転“したかたちになる。 「3位以内」に入った相澤、伊藤、市田が期限である6月26日までに参加標準記録をクリアすれば代表を手にすることができるからだ。

 彼らは6月22日のホクレン・ディスタンスチャレンジ20周年記念大会(北海道・深川)のオレゴン世界選手権チャレンジレースで参加標準記録の突破を狙うことになる。 「今回は中盤しっかり粘って、後半先頭についていって最後まで押していけた。次のレースで参加標準記録を切るための好材料になったかなと思います。次は正真正銘最後のチャンスなので、どんなにきつくてもタイムを追って走りたい」と相澤が言えば、伊藤も「標準切りは達成できなかったですけど、まだチャンスはある。万全な状態でタイムを狙っていきたい」と”ラストチャンス”に向けて気合十分だ。

 なお参加標準記録を3人以上突破できない場合は田澤が代表に選ばれる可能性が高い。男子10000mの日本代表争いはどんな結末を迎えるのか。

 ただし、今回のようなレースをしているようでは世界との差は縮まっていかないだろう。なぜなら、日本ほど10000mレースを多くこなしている国はなく、これほど環境(気象条件、ペースメーカーなど)に恵まれた国も少ないからだ。世界大会に出場するためには参加標準記録をクリアすることが大切になるが、“作られた記録“では世界トップクラスと互角に戦うのは難しい。東京五輪のメダル争いは27分42~43秒、入賞ラインは27分50秒だった。今回のような条件なら参加標準記録突破は最低ライン。条件が悪くても、27分40~50秒で走破できるだけの実力を身につけてほしいと思う。

(文責・酒井政人/スポーツライター)

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