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欧州視察中の森保監督は9月のドイツでの強化試合に当初予定していた本番想定の26人ではなく30人前後のメンバーを招集することを明かした(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
欧州視察中の森保監督は9月のドイツでの強化試合に当初予定していた本番想定の26人ではなく30人前後のメンバーを招集することを明かした(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ森保監督はW杯3か月前に急遽方針転換を決断したのか…9月強化試合の招集メンバーを増員

 実際に大迫がドイツ遠征に参加できなければどうなるのか。

「基本的には9月にプレーした選手たちが中心となって11月のワールドカップへ、という流れで選手の招集を考えていきたい。しかし、確率的には低くなりますけど、9月の活動に参加しなくても可能性のある選手は状態を見ていきたい」

 ドイツ遠征に招集する選手がすべてではないと明かした森保監督は、当初の予定より多目に呼ぶのがフォワード中心になるのか、という問いにこう答えている。

「考えていないことはないし、スタッフの間で何度も議論にはなっています。これまでのミーティングを振り返れば、前線の選手が多くなるかな、と感じるところはありますが、多目に呼ぶ大きな理由としてはそこまではないですね」

 いずれにしても、本来の状態に戻った大迫がドイツ遠征で再び存在感を発揮すれば、3トップの中央をめぐる問題はひとまず解決すると指揮官は考えていたはずだ。しかし、ワールドカップ本大会にも間に合わない場合を考えれば、大迫を欠いた戦い方にアメリカ、エクアドル戦を介してある程度のめどをつけなければいけない。

 浅野や古橋、上田を再び起用するのか。新天地モナコで代表と同じサイドアタッカーで起用され、精彩を欠いている南野拓実(27)を得意とする中央へ戻すのか。同じく新天地で2トップの一角として躍動している伊東純也(29、スタッド・ランス)や久保建英(21、レアル・ソシエダ)が持ついい流れを、代表でも試してみるのか。 森保監督が言及した「最終的にいろいろと試せる部分」に、国内組からのサプライズ招集を重ね合わせれば、国内組だけのメンバー構成で優勝した7月のEAFF E-1サッカー選手権の3試合で3ゴールをあげ、他の候補選手たちにはない武器、ポストプレーもこなせる町野修斗(22、湘南ベルマーレ)の抜擢も考えられる。

 いずれにしても、カタールワールドカップまでに残された時間は刻一刻と減っていく。ここにきて軌道修正を余儀なくされた森保監督はオンライン取材を終えると、上田が所属するサークル・ブルージュのリーグ戦視察のためにベルギーへ向かった。

 今後は日本には帰国せずにヨーロッパ組が出場する公式戦の視察を続け、そのまま9月の国際Aマッチデー期間がスタートする19日を迎える。その間の15日には、ドイツ遠征に臨む代表メンバー発表会見にドイツの地から臨む予定になっている。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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