なぜ立浪竜は横浜DeNAに1勝8敗と勝てないのか…明暗を分けた1回の前進守備
いつも試合前に挨拶に来てくれるという東海大相模高の後輩の小笠原に「いいピッチャーには違いない。しっかりとゲームメイクするし、インコースの真っ直ぐは強いし、チェンジアップ、カーブもいい。名古屋ドームでは全然ダメだったので、今日しっかりチャンスで打てたのは、ベイスターズとしては良かった。個人としてはまだまだやられっぱなしだけど」とリスペクトの言葉を忘れていなかった。 横浜DeNAは続く佐野が二塁打を放ち3連打。無死二、三塁からオールスターにファン投票で選ばれ、視察にきた侍JAPANの栗山監督にも評価されている4番の牧が犠牲フライを打ち、さらに首位打者を走る宮崎にレフト越えのタイムリー二塁打も飛び出して3点を奪った。ロースコアにしか勝機を見いだせないチーム事情ゆえ仕方なく1点を封じにいった立浪監督の勝負は裏目に出た。
結果的に大田の前進守備の裏をかいたタイムリーから口火をきった初回の3点が勝負を決めることになった。
三浦監督も「いい攻撃で先制点が取れた。積極的にいってくれた結果。(大田は試合に)出ないときも準備をして、コンパクトにおっつけて、いい1点、一気に波を作ってくれた。それで満足せず、もう1点、もう1点と攻撃がつながった」と怒涛の先制攻撃を称えた。
小笠原は、その後、立ち直ったが、今の中日打線に3点は重たかった。5度得点圏に走者を進めたが、復帰したビシエドの内野ゴロの間に奪った3回の1点のみ。4番のマルティネスはストレートに差し込まれ、5回二死満塁のチャンスには、阿部がボールになるフォークを振ってカウントを整えられ、最後は、大貫にインサイドをストレートで攻められてセンターフライに終わっている。 これで両チームの対戦成績は中日の1勝8敗である。
この日は「BLUE☆LIGHT SERIES 2022 Supported by nojima」というイベントが行われ、来場者にブルーのペンライトが配られ、5回終了時点と、試合後に場内が幻想的なブルー一色に染まった。
きっと立浪監督からすれば気分はブルーだっただろう。
ローテーの巡り合わせで対横浜DeNA戦に4度先発している小笠原は3敗目。唯一の1勝も、その小笠原だが、対横浜DeNAの防御率は4点台である。チーム全体の横浜DeNAの防御率も5.08で、チーム打率は.205しかない。
一方、横浜DeNAから見ると、大貫が2勝目。8勝のうち6つに先発投手の勝ちがつき、対中日の防御率は1.89で、チーム打率は.262、9本塁打と投打が噛み合い、常に打ち勝っている。
中日からすれば“天敵“。横浜DeNAからすれば、借金返済に絶好の”お得意さん”の関係者となっているが、三浦監督に油断などない。
「(8勝1敗の)結果は出ているが、毎試合、毎試合、一個の流れでガタっといくところで投手陣が踏ん張り、もう1点というところで点を取れているだけで、紙一重だと思う。もう1試合残っているので、みんなで頑張ります」
5位の横浜DeNAは4位の阪神とは0.5差。3位の広島とも1.5差に付ける。ここで一気に連勝してAクラス入りへの勢いをつけたい横浜DeNAは、今日7日には東が対中日戦に今季初先発。連敗を3で止めたい中日は、高橋宏を立てる。ちなみに高橋宏の横浜DeNA先発は2度目で3月30日の対戦では4失点している。