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阪神の”守護神”岩崎優が1点を守れず悪夢の逆転サヨナラ負け。9回一死二、三塁から満塁策を取らずオスナとの勝負が裏目(資料写真・黒田史夫)
阪神の”守護神”岩崎優が1点を守れず悪夢の逆転サヨナラ負け。9回一死二、三塁から満塁策を取らずオスナとの勝負が裏目(資料写真・黒田史夫)

なぜ阪神は満塁策を取らなかったのか…一塁が空いている9回一死二、三塁でオスナと勝負して逆転サヨナラ負け

なお一死二、三塁のサヨナラのピンチにオスナを打席に迎えた。一塁が空いていた。定石のひとつが満塁策である。走者を詰めておけば、「ゴロゴー」でのサヨナラを防ぐ確率が高まり、併殺でピンチを切り抜ける可能性も生まれる。しかも打線は下位で次打者は投手の大西。当然、ヤクルトは代打策でネクストバッターズサークルには浜田が入っていたが、犠牲フライの可能性を考えてもオスナとの勝負は分が悪い。その次の打者も守備固めで入っていた奥村である。

 ただオスナは、この5試合で15打数1安打と絶不調で、この日も2回一死一、三塁の場面で外野への犠飛を打つことができず、糸原の好守の前にセカンドフライに終わっている。まずひとつのアウトをオスナから取れるとベンチが判断したのか。それとも岩崎がオスナとの勝負を主張したのか。

 不可解なオスナとの勝負が始まった。

 初球のストレート、2球目のチェンジアップと、岩崎が投じたボールは、いずれも外角高めに大きく外れた。やはり勝負を避けるのか。そうとも思えた。このカウントで申告敬遠しても良かったのかもしれない。   次の3球目。岩崎はストライクを投げた。しかも外角に浮いた変化球。「強く振れる甘い球を待っていた」というオスナにとって絶好球となった。ライトの糸井が定位置から数歩下がってキャッチしなければならなかった打球はサヨナラ犠飛に十分だった。

 オスナはヒーローインタビューで「最高の形になった。ピッチャーが粘って最後はいい形で勝てた」と声を弾ませたが、なんとも不可解な結末である。

 先頭の山田への四球から始まり、制球が定かではなかったこの日の岩崎の調子を考慮しても満塁策を取らずにオスナと勝負することが最善策だったのだろうか。

 試合後の代表取材では満塁策を取らなかった件に関する質問が飛ばなかった模様。スポーツ各紙の報道によると矢野監督は、3月25日のヤクルトとの開幕戦以来となる失点で今季初黒星を喫した岩崎を責めることはせず、糸原の今季1号ソロの1点だけに終わった打線を「1点で逃げ切りたい試合になってしまったが1点より2点、2点より3点というのが今のチームの課題」と問題視したという。

 先の横浜DeNA戦では1、2番が機能し、4番の佐藤に8号&9号が飛び出すなど課題だった打線が活気づいて連日の大量得点で連勝した。

 だが、この日のサイスニードのように球威のある一線級の投手にかかると、たちまち沈黙。確かに、そこは課題だが、3回一死三塁の好機を潰すなど、セでナンバーワンとも言える投手力を生かしてきれないベンチワークにも問題がある。

 

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