FC東京のスーパールーキー松木玖生が出場10試合目で待望のプロ初ゴール(写真:日刊スポーツ/アフロ)
なぜFC東京スーパールーキーの松木玖生は待望のプロ初ゴールを決めることができたのか…見逃せないバックパスへ懸命な動き
「高校時代から変わらないんですけど、何よりもまずチームに貢献すること。負けず嫌いなところがありますけど、それ以上に熱いプレーヤーなので、ピッチ内で味方を鼓舞しながらチームを勝利に導くプレーを目指していきたい」
掲げる目標の高さと照らし合わせれば、10試合目で最短となる55分間でベンチへ下がった自分に納得できない。同点に追いつきながら前半39分、後半3分と連続ゴールを喫し、アタッカーの枚数を増やす目的でFW永井謙佑と交代した意図は理解できても、とてもじゃないがチームに貢献した試合とは位置づけられない。
試合後には「ゴール以外は何も仕事をしていない」と語った松木へ目を細める指揮官のコメントも、Jリーグの公式ホームページは伝えている。
「われわれのスタイルとともにプレーし続けることによって、彼はさらに成長できる」
地に足をしっかりとつけながら、同時進行で世界も意識している。新加入会見で「すごくチェックしている。16歳でプレーしている選手もいるので」とヨーロッパへも目を向けていると明かした松木は、常に刺激を自らへ注入している。
4月30日で19歳になり、世界基準で見れば若手ではなくなりつつある年齢も、成長への思いをかき立てる。だからこそ、周囲から注目されたプロ初ゴールもマイルストーン。試合の結果を悔やみながらも、個人的には「自分のなかでは、勢いに乗るゴールになると思う」と前を見すえた松木は、余韻に浸る間もなく前進を続けていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)