エンゼルスの買収を巡って争奪戦勃発… 誰が新オーナーになるかで大谷翔平の去就が変わる?!
前置きが長くなったが、そんなスーン・シャン氏が、エンゼルスのオーナーになった場合、彼は、どう動くのか?
総資産は89.4億ドル(約1兆2768億円)の実業家だと伝えられるが、あるLA・タイムズ紙の記者は、「レイカーズのマイノリティオーナーではあるけれど、これまでスポーツチームの筆頭オーナーとなったことはないので、予測は難しい」と断った上で、「経営姿勢は保守的だ」と指摘した。
LA・タイムズ紙の前オーナーのトロンクがコストカットを徹底したので評判が悪く、スーン・シャン氏は、当初、救世主のような扱いを受けたが、積極的な投資には慎重で、費用対効果を重視。結局、前オーナーの経営とさほど変わらず、移転も含め、失望の声が広がるまでさほど時間はかからなかった。 エンゼルスの買収には25億ドル(約3570億円)は必要だとされている。仮に彼が選手への投資にも慎重で、保守的な姿勢を球団経営にも適用するなら、今オフに契約更改を控え、来年オフにはFAとなる大谷との再契約は考えにくい。固定費を削減するためにも、大谷をトレードで放出して、交換要員に若手有望株を4~5人獲得し、7年連続でポストシーズン進出を逃しているチームを再建する道を選ぶのではないか。
アート・モレノ現オーナーが自ら動いて獲得したアンソニー・レンドンについても、契約残額の半分以上を負担する覚悟で、リストラしようとするだろう。
そうした一方で、エンゼル・スタジアム周辺の開発を推し進め、球団経営とは別の部分でも収益化を図るとも予想できる。
また彼のこれまでの経歴を辿ると、10年前にドジャースの買収に現メッツオーナーのスティーブ・コーエンとともに乗り出したり、NFL、MLS(メジャーリーグサッカー)のチーム買収も目論んでいるが、それはスポーツ好きというより、投資対象として、という側面も透けて見える。
そうであるなら同じくエンゼルスの買収を検討していると伝えられるNBAのウォリアーズの現オーナーで、アスレチックスの買収に動いたこともあるジョー・レイコブ氏の手にチームを委ねたほうが、ファンも納得し、大谷がエンゼルスに残留する可能性は高まるのではないか。