勝負を決めたのは4番吉田正の一振りだった(資料写真)
オリックスは鳥襲来で試合中断の珍事をどう乗り越えたのか…首位ソフトBとのゲーム差「0」譲らず4連勝
本拠地・京セラドーム大阪にソフトバンクを迎えた、前日までの天王山で破竹の3連勝をマーク。一時は遠ざかりかけたソフトバンクの背中をとらえた3戦目で、吉田は先制となる初回の19号2ラン、9回に放った起死回生の同点タイムリーを含めて3安打4打点の大暴れを演じ、延長10回に飛び出した宗佑磨のサヨナラ打を導いた。
一夜明けても勝ち越し弾を右中間スタンドの中段に突き刺しただけでなく、9回にも犠飛でダメ押しの6点目をマーク。頼れる主砲としての存在感をますます増幅させる吉田に最敬礼した中嶋聡監督は、各社の報道によれば中断をこんな言葉で振り返ったという。
「だいぶ長かったもんね。本当にめったにないこと。初めて見ました」
体調不良を訴えた守護神・平野佳寿が18日に登録抹消され、2連投していた阿部翔太とワゲスパックも疲労が考慮され、遠征メンバーから外れた陣容で迎えたロッテ戦。小木田を継いだ39歳の比嘉幹貴が踏ん張り、23歳の本田仁海、3連投の山﨑颯一郎で手にした白星の価値は大きい。 吉田が声を弾ませた。
「もう本当に1敗もできない。勝っていくだけなので、何とか必死に戦っていきます」
雨にも負けず、風……ではなく鳥にも負けなかった昨シーズンのパ・リーグ覇者は連勝を4に伸ばすとともに、貯金を今シーズン最多の「10」に到達させた。ソフトバンクとの0ゲーム差を死守したまま、残り5戦全勝を合言葉に、再びロッテを今度は京セラドーム大阪に迎える22日から奇跡を手繰り寄せるための挑戦を再開させる。