ゲーム差「0」で大混戦のパ…ソフトバンクはなぜ首位攻防戦でオリックスに3タテを許したのか
池田氏は勝敗を分けたもうひとつのポイントは8回に逃したソフトバンクの追加点機にあったと見る。 相手の守備の乱れもあり、無死一、三塁のチャンスを作ったが、柳町のセカンドゴロでホームをついた中村が三本間で挟まれてアウトになり、一死一、二塁と変わり、続く甲斐もレフトフライ、周東もレフトファウルフライに倒れたのだ。
「ゴロゴーのサインだったのだろうが、中村の走塁が中途半端すぎた。もし挟まれるのであれば、走者が三塁にくるまで、粘らないとならなかった。あくまでも結果論だが、そういう目に見えない小さいミスが、こういう紙一重のゲームでは命取りとなる」
これでソフトバンクとオリックスのゲーム差は「0」となった。ソフトバンクが勝率でわずか1厘上回っているが、この日、ソフトバンクとの直接対決を5試合残しているロッテが、日ハムに勝つか、引き分けであれば、ソフトバンクのマジック「9」は消滅するところだった。幸いにしてロッテが敗れたが、オリックスの大逆襲で、パの優勝争いは再び大混戦になった。
池田氏は、「まだ残り試合がオリックスよりも4試合多いソフトバンクが若干有利ではある。互いに他チームとの勝ち負けでプレッシャーも変わってくるので、本当にわからなくなった」との見解。
ソフトバンクは残り10試合でオリックスは残り6試合。もう直接対決は残っていないため、オリックスがひとつでも負けると、ソフトバンクは5勝5敗の勝率5割でOKという計算になる。 そして池田氏は、ソフトバンクが逃げ切る条件は、「ソフトバンクは今日の日ハム戦で終わる11連戦を7勝4敗でクリアすれば優勝が近づくと思っていたが、オリックスに3タテを許した現段階の6勝4敗は内容が悪すぎる。森という戦力が中継ぎにもう1枚加わったのは大きいが、残り10試合でソフトバンクが優勝するためのカギを握るのは打線。特にギータ(柳田)の復調だろう」と見ている。
4番の柳田は、この3連戦で12打数2安打で、打点はなく、ノーアーチである。
各社の報道によると、藤本監督は、「全員でいったけどなかなかね。向こうも全員で来ているんで」と悔しさを押し殺し、一方の3連勝で逆転連覇の可能性をつかみとったオリックスの中嶋監督は「(3連勝?)まあ、そこを目指してやってきたんですけど、終わったわけではない。この3連戦、何とかホークスについていきたいなと思っていたが、それができて、もう1回チャンスあると思っています」と淡々と語った。
今日20日にソフトバンクは札幌に移動して日ハム戦、そしてオリックスは千葉に移動してロッテ戦を迎える。