セレッソ退団で”問題児”レッテルを貼られた可能性のある元日本代表FW乾貴士の新天地探しはスムーズに進むのか?
J1のセレッソ大阪は9日、元日本代表MF乾貴士(34)と来シーズンまで結んでいた契約を、双方合意のもとで解除したと発表した。乾は4月5日の柏レイソル戦で途中交代した際に小菊昭雄監督(46)らに不服な態度を示し、試合後にもチームの規律や秩序を乱したとして謹慎を科され、5月14日で処分が解除された後も練習に参加していなかった。今後は無所属となって今夏の移籍を目指すが、退団までの経緯もあって新天地探しは難航必至の状況だ。
「一度関係をリセットすることがお互いにとって良い選択」
交代直後に乾が見せた態度が問題視された柏戦から65日目。話し合いを重ねてきたセレッソとの間で出された結論は、シーズン半ばでの退団だった。 セレッソは9日午前に公式ウェブサイトを更新。双方合意のもとで、来シーズンいっぱいまで結んでいた乾との契約を同日付で解除したと発表した。
セレッソのファン・サポーターへ向けて、乾はウェブサイト上で「突然のニュースで驚かせて申し訳ありません」で始まるコメントを寄せている。 「今日に至るまで色々なことを考えてきましたが、一度セレッソとの関係をリセットすることがお互いにとっての良い選択という結論になりました。当初の自分の行動で皆さんにご迷惑をおかけした点については反省してますし、関係する方々にも謝罪もさせていただきました。クラブからの処分の間にも様々な意見反応をいただく中で、なかなか練習に復帰できる状況が整わない日々が続いてしまいました。この期間色々なことを考えましたが、大好きなサッカーを続けていくために今日の結論に至りました」(原文ママ)
セレッソの森島寛晃代表取締役社長(50)も、契約解除に至った経緯の一部を説明するとともに、袂を分かつ乾への思いをコメントで綴っている。
「乾選手のチーム合流に向け、これまで話し合いを重ねてまいりましたが、このような結果となり残念に思います。(中略)契約解除とはなりましたが、乾選手には感謝の思いでいっぱいです。今後の乾選手の活躍を心から願っております」(同)
今シーズンから副キャプテンを務める乾は、キャプテンのMF清武弘嗣(32)が欠場した4月5日の柏戦(ヨドコウ桜スタジアム)でゲームキャプテンを拝命。0-1とリードされた後半17分に、FWジェアン・パトリッキ(25)との交代を告げられた。
もう一人の副キャプテン、DF西尾隆矢(21)へ腕章を託して引きあげてきたベンチ前で、乾は労をねぎらってきた小菊監督ら首脳陣との握手をあからさまに拒否。高橋大輔コーチ(38)と激しく言い争うなど、衆人環視の状況で途中交代への不平不満を露にした。
さらにベンチでその後の試合展開を見守らなかった乾は、そのまま向かったロッカールームでもチームの規律や秩序を乱す行為におよんだ。試合後のオンライン会見で、小菊監督は「興奮していた状態だった」と理解を示しながらも、現場の最高責任者である監督のさい配へ公然と反旗を翻した乾へ苦言を呈していた。
「負けず嫌いの性格で、負けている状況で責任感の強さもあってああいう形になった。それでもセルフコントロールをしていかなければいけないし、彼も学んでほしいと思う」