モナコに移籍した南野拓実は2試合連続でベンチを温め評価も上がらずに正念場を迎えている(写真・AP/アフロ)
モナコに移籍した南野拓実は2試合連続でベンチを温め評価も上がらずに正念場を迎えている(写真・AP/アフロ)

モナコで苦戦の南野拓実はW杯で戦力となるのか?

ドイツからおくったエールとは対照的に、南野を取り巻く状況は悪化の一途をたどっている。それでも頑固な一面を持つ森保監督は、アジア最終予選から6月シリーズへ継続された「4-3-3」を、カタールワールドカップでも踏襲するだろう。

 一度定めたチーム内の序列をなかなか変えなかった起用法と照らし合わせれば、左ウイングのファーストチョイスはドリブルに長け、個の力で挑める三笘薫(ブライトン)ではなく、中途半端な状態が続いていた南野の一択となる可能性が大きい。

 しかし、チームが旗揚げされた2018年9月から継続して招集され、2020年からは「10番」を託してきた南野が、モナコのクレマン監督によれば「自信を失っている」状態にある。長引く不調に連動してプレー時間が減少すれば試合勘も失われ、当然ながら主軸の一人にすえているカタールワールドカップの構想にも大きな影を落とす。

 伊東や久保建英(レアル・ソシエダ)、堂安律(フライブルク)、守田英正(スポルティング)、板倉滉(ボルシアMG)、そしてキャプテンの吉田麻也(シャルケ)らがリスクを覚悟の上で、ワールドカップを控えたなかで今夏に新天地を求めた。

 大半がコンスタントに出場機会を得ているなかで唯一、もがき苦しんでいる南野はカタールワールドカップまでに復調するのか。左ウイング以外のポジションやシステムでも試してみるのか。間に合わないと判断した場合には、誰を起用するのか。見極める上での最後の実戦となる今月下旬のドイツ遠征メンバーは15日に発表される。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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