ヤクルト村上宗隆の弟である九州学院「4番・一塁」慶太はドラフト指名される逸材か…ベスト8へ導く決勝タイムリー
4回の第2打席は、セカンドゴロに終わったが、一塁への悪送球を誘い、6回一死一塁の第3打席は、左中間へのフライアウトだったが、逆方向へ打ち返す技術と打球の角度がよかった。松井氏が注目したのは8回一死からの最終打席で選んだ四球だ。
「あそこは大きいのを打ちたい場面。なのに軽くボール球を4つ見送った。彼に備わった対応力を示す四球だったと思う」
松井氏は、村上の守備の面も、こう評価した。
「8回二死一、三塁のピンチに3番打者の難しい一塁ゴロをうまく処理した。グラブさばきも柔らかいし、打球に対する反応もよく、一塁カバーに入った投手へのトスのタイミングもよかった。守備のウエートの大部分を占めるのはスローイング。投手が牽制を投げた後の返球をチェックしていたが、スローイングも悪くない。一塁しか守れなければプロでの出場機会が限られるが、サードも守れるんじゃないか」
松井氏は、九州学院高時代の村上兄を直接チェックする機会はなかったが、宮崎での2軍スタートとなった1年目の春季キャンプを視察したことがあり、ほぼ同じ時期の2人をこう比較した。
「村上兄の1年目キャンプで驚いたのはバットスイングのスピードと体の馬力。2人を比較するとスイングスピード、パワー共にやはり兄が抜きん出ている。構えも弟がやや猫背。これは、ボールへの対応を意識しているからだろう。しかし、対応力は鍛えることが難しいが、スイングスピード、パワーは、鍛えれば伸びる部分。あれだけの体格があるのだから、そこはノビシロでしかない。スイングスピードやパワーは、これからついてくる。時間はかかるだろうが、素材としては魅力がある選手だ」
九州学院は、準決勝進出をかけて18日の第4試合で聖光学院(福島)と対戦する。佐山未来、小林剛介という2人の好投手を擁して1試合で2失点以上を許していない聖光学院を相手にプロ注目の4番打者、村上のバットがどうチームを牽引するのか。