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中日の京田陽太は打撃不振に加えて守備でミスを犯し試合中に2軍落ちを告げられ名古屋へ強制送還された(資料写真・黒田史夫)
中日の京田陽太は打撃不振に加えて守備でミスを犯し試合中に2軍落ちを告げられ名古屋へ強制送還された(資料写真・黒田史夫)

中日の立浪監督が攻守に精彩を欠くショート京田を試合中に「2軍落ち名古屋強制送還」した真の理由とは…背景に”星野イズム”

 立浪監督も監督就任会見で「勝つために妥協はしない」と宣言し、茶髪や髭を禁止するなど緩んでいた規律から締め直した。

 試合前の打撃練習から熱心に直接指導するなど現役時代の同じポジションの京田の復活に手を差しのべてきた立浪監督からすれば、立ち直りを期待するがゆえの愛情の裏返しであり、同時に、ずっと見てきた星野氏の手法と同じく、チームに緊張感を抱かせ、たとえ主軸であっても「やるべきことをやっていなければ、1軍にいられない」という戦闘集団の鉄則をチームに植え付けるという狙いがある。だから「戦う顔をしていない」とコメントしたのだろう。

 新人王を獲得、過去に2度全試合出場を果たし、選手会長まで務めるプロ6年目の主軸が、試合中に強制送還された事件は、他の選手にも衝撃を与えたことは間違いない。  立浪監督は「ここぞ」という競り合いの中で重要な集中力や、球際の強さにはチームに漂う空気が大きく影響を及ぼすことを身をもって知っている。そのためには、競争の原則をチームに“文化”として根付かせなければならない。長いペナントレースを戦う上で、戦力差だけは、どうしようもないが、“戦闘集団“となっていれば、ピンチに強く、チャンスをモノにし接戦を勝ち抜くチームに近づくことができる。

 西武、ヤクルトで監督を務めて“日本一チーム“にした輝かしい実績を持つ“球界大御所”の広岡達朗氏も、立浪監督が就任以来、打ち出してきた厳しい姿勢を高く評価していた。

「私は監督時代には選手に炭酸飲料を飲むことさえ禁止した。自分を律することのできない選手はグラウンドでも力を発揮することはできない。今の時代にはそぐわないのかもしれないが、立浪がまずプロとしてあるべき姿から正そうとしていることは指導者として正しい方向だ。彼の打ち出した厳しさは必ずチームを強くするだろう」 

 ある意味、屈辱を受けた京田は、”反骨心”を胸にどう這い上がってくるのか。

 星野氏が、そうしたように立浪監督は、京田がファームで結果を残して、実力で1軍切符を勝ち取れば、必ず復活のチャンスを与えるだろう。

(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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