中日・根尾の150キロ無失点の衝撃デビューにも賛否…”二刀流”への本格挑戦はありか、なしか?!
気になるのは、根尾の”今後”だ。
立浪監督は、「またこういう展開で投げることはあるかもしれない」と、大差がついたゲームでの登板の可能性があることを示唆したが、ネット上では、様々な意見が飛び交った。
「お遊びとは違うレベル」「あの身体能力なら投手として練習を積めば十分に二刀流でいけるのでは?」「次も見たい」「大差負けでも最後まで応援しているファンを喜ばせた」と根尾の二刀流と立浪采配を支持する声が多くを占めたが、一方で「器用貧乏で終わらないか」「今後、どう育成したいかが見えない」「バッターに専念させるべき」「話題作りだけでいいのか」「怪我をしたらどうする?」などの疑問を呈する意見もあった。
中日のショートは、現在、エアポケット状態にある。不動のショートだった京田は、バッティングが低迷し、肝心の守備でもミスを連発。4日の横浜での横浜DeNA戦の試合中に立浪監督に「戦う顔をしていない」と苦言を呈されて名古屋へ強制送還された。その状況を受けバッティングを生かすため外野に本格コンバートされていた根尾が再びショートへ緊急配置転換される事態となった。 中日としては、広島の小園やヤクルトの長岡のように根尾がショートのポジションに定着してくれれば言うことはないが、ポジション的には打撃に目をつぶれる守備力がなければ我慢して起用するのも難しい。
その中で立浪監督は「投手・根尾」の可能性を否定せず「色んなことを言われると思うが、何とか根尾を生かしていかないと」と、二刀流も視野に入れながら育成していく考えがあることを明言した。 もし大差の中での敗戦処理ではなく、ワンポイントの中継ぎ投手として起用できるようになれば、根尾の戦力としての価値は高まるし、チームの選択肢が増えることになる。
池田氏は、こんな意見を持つ。
「立浪監督も色々と考えていると思うが、将来的に根尾をどうしたいのか、どうすることがベストなのか、の方向性を定める必要があると思う。二刀流として投手の可能性を追求するならば、本格的に練習しなければならないし、そうなると怪我のリスクが出てくるし、課題である打撃、守備へ割く時間も減ることになる。今回のように大差ゲームでブルペンへの負担を軽減するだけが目的の投手ならば、そこまで本格的な練習は必要ないだろうし、ベンチ入りの枠をひとつ確保するには、“敗戦処理ができる“だけでは物足りない。まず野手として1本立ちする実力をつけることが、大切のようにも思えるが、根尾が証明した、そのとてつもない可能性をどう生かすのか。これは球団、現場、そして本人が決めることだが、中途半端な形にするのが一番よくないだろう」
すべてを否定から入って根尾の持つ才能と可能性を眠らせておくのはもったいない。根尾だからこそ起きている議論。そしてマウンドに上がるだけでファンを喜ばせることができるのもプロとして重要な要素である。プロ4年目で、少しずつフィジカルもできつつある今こそ、大谷翔平とはまた違った形での根尾の二刀流の挑戦を本格的にスタートさせるタイミングなのかもしれない。
(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)