今日ゴング!どうなる再戦行方…「本当に100点」まで仕上げた井上尚弥は”レジェンド”ドネアに完全決着をつけれるのか?
プロボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(29、大橋)とWBC世界同級王者、ノニト・ドネア(39)の3団体統一戦(7日・さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が6日、横浜市内のホテルで行われ、井上がリミットの53.5キロ、ドネアが100グラムアンダーの53.4キロで一発クリア。新型コロナ検査も陰性で、いよいよ午後9時過ぎ予定のゴングを待つだけとなった。試合は公開採点で行われ、紛らわしいジャッジを防止するためにインスタントリプレーが導入されることになった。また井上は、プロ23戦目にして初めてパンチャーに有利とされる拳の薄いメキシコ製「レイジェス」のグローブを使用する。世紀の再戦を制するのはどっちだ。
パンチャーに有利とされるメキシコ製「レイジェス」グローブを使用
井上尚弥の体は完璧に仕上がっていた。8パックに割れた腹筋に無駄な肉が削ぎ落された鉄板のような胸板。肋骨付近にまで小さな筋肉が浮かび上がる。しかも、いつもの計量時の頬がこけたゲッソリ感がない。
大橋会長曰く、計量秤に乗る直前に、井上は「寂しいなあ。この喉の乾いているこの瞬間がこれで終わっちゃうかな」とつぶやいたという。
「意外。余裕じゃなく不思議だな」
大橋会長を驚かせた。
1秒でも早く、この苦しみから解放されたいと思うのが、ボクサーのサガ。だが、井上はそうは言わなかった。のちにジムを通じて伝えられたコメントも「本当に100点。かなり良く仕上がったので、この後のリカバリーもしっかりやって、当日を迎えたい」と自信にあふれていた。
「100点調整」の手応えが、「寂しいな」の言葉につながったのだろう。
井上は、ホテルの自室に戻り、真吾トレーナーが時間をかけて煮込んだ特製の栄養たっぷりの“シンゴタン”こと「参鶏湯」と「すっぽんスープ」でリカバリーをスタートさせた。
一方のドネアは、公式会見時とは、うってかわり、一気に老けて見えた。脈拍も105と高かった。水抜きなどの急激な減量の影響かもしれない。計量を終えると、赤色をしたドリンクをグビグビと飲んだ。だが、大橋会長は、「ここから当日になったら生まれ変わってくるのがドネア」と警戒を解かない。
ドネアも「コンディションはバッチリ。水分補給もしっかりできました。最高の気分、明日が楽しみだ」と話した。 フェイスオフは、約12秒。ドネアの方から先にお辞儀をしてにらみ合いを解いた。2人に握手はなかった。